日本ボクシングコミッションの組織概要
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「日本ボクシングコミッション事件」の記事における「日本ボクシングコミッションの組織概要」の解説
「日本ボクシングコミッション」も参照 日本ボクシングコミッション(以下、JBC)は、1952年に設立された非営利団体で、プロボクシングの試合を適正に管理運営する独立機関である。主にプロボクシングに関する規則の制定、プロボクシングの試合の管理、タイトル承認、ランキング管理、プロボクサーの健康管理、国際ボクシング団体への加盟や国際交流の推進等の業務を行っている。JBCには十数名の理事で構成される理事会が置かれ、理事会は、代表理事(会長)を互選し、会長は副会長1名、専務理事1名および常務理事1名をそれぞれ選任する。会長は一般にコミッショナーと呼ばれ、JBC管轄下で行われるプロボクシングの試合を管理、統括する権能を持ち、コミッショナーの下す裁定、裁決および制裁は最終決定となる。専務理事は会長・副会長を補佐し、常務理事は会長・副会長・専務理事を補佐する。JBCには本部事務局の他に4つの地区事務局があり、2011年6月当時、これらの事務局に合計14名の職員が在籍し、本部事務局には本部事務局長・安河内以下合計8名が在籍していた。本部事務局長・地区事務局長は会長が任命するが、実務上は本部事務局長が地区事務局長・本部事務局員の採用・解雇を行うことになっており、地区事務局長は地区事務局員の採用・解雇を行う。 プロボクシングの試合を企画し、管理・運営するには、プロボクサー、トレーナー、セコンド(トレーナーを補佐し、試合ではプロボクサーを補助し、助言を与える)、マネージャー(契約するプロボクサーの利益を守るため、その健康を管理し、収入確保のために適切な数の試合に出場させるなどの事務にあたる)、プロモーター(試合興行における責任者)、クラブオーナー(ボクシングジムの経営者)、マッチメーカー(対戦者を選定し、試合を組み立てる)、インスペクター(試合が公正に行われるよう管理、監督する)、審判員(レフェリー、ジャッジ)、アナウンサー、ドクター(プロボクサー・レフェリー・試合役員の健康を管理する)、タイムキーパーおよび進行(インスペクターを補佐し、試合の進行を担当する)の各関係者が必要であり、JBCはこれらの各関係者にはライセンスを要するものと定め、それぞれの適性の有無によりライセンスを付与、剥奪する。ライセンス保持者のうち、インスペクター、レフェリー、アナウンサー、ドクター、タイムキーパーおよび進行は、JBCの業務であるプロボクシングの試合管理、プロボクサーの健康管理にとって不可欠な存在として試合役員と位置づけられ、東京本部と各地区それぞれに試合役員会が組織されており、地区ごとに所属する試合役員の互選によって会長が選任される。試合役員会は原則として毎月開催され、試合役員のほか、JBC各事務局の事務局長、事務局員が出席し、試合の裁定などを協議する。 JBCの業務にはこの試合役員会以外に、選手の養成・訓練を行うクラブオーナーを会員として構成された私的かつ任意的な親睦団体であり、興行での利益を求める事業者の団体である日本プロボクシング協会(以下、協会)の協力が不可欠である。協会の傘下に各地区組織として東日本ボクシング協会、中日本ボクシング協会、西日本ボクシング協会、西部日本ボクシング協会、北日本ボクシング協会がある。JBC設立以前は協会の中に審査員部が置かれて試合の審判員もここから送り出されており、中立性の維持が困難であった。JBCは1978年3月7日に公益性を認められて財団法人となったが、公益法人制度改革に伴い、理事会決議をもって一般財団法人化の方針をとり、2013年7月1日付で「一般財団法人 日本ボクシングコミッション」と名称を変えた移行法人である。
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