日本の警察犬
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日本では1912年に、警視庁がイギリス帝国からコリーとラブラドールレトリバーの2頭を採用したのが始まりである(ただし防犯広報目的で採用)。1940年(昭和15年)に、警視庁は警察犬舎を設けて警察犬6頭を飼育したが、太平洋戦争に伴い一時廃止。1952年(昭和27年)には警察犬制度の採用が再度検討され、民間訓練士に12頭の犬を警察犬として嘱託する嘱託警察犬制度が創設された。さらに1956年(昭和31年)には警視庁において本格的な直轄警察犬制度が発足した。 日本の警察犬には、警察が所有し使用する直轄犬と、警察が実施した試験に合格し警察から非常勤の警察犬として認められた嘱託犬の2種類がある。また広義には、日本警察犬協会が警察犬としての能力を認定している7犬種を警察犬ということもある。 警察犬の訓練においては、服従訓練・嗅覚訓練・警戒訓練が行われる。 2004年時点では、警視庁鑑識課だけでも32頭が使用され、その他各道府県警鑑識課でも使われている。 亡くなった警察犬については、1968年に東京家畜博愛院に警察犬慰霊碑が建立され、年に2回慰霊祭が行われている。 なお、警視庁警備部警備二課には、警察の捜索活動を行う警察犬だけではなく、爆発物探知や犯人制圧や災害救助犬のように、被災者の捜索救難など複数の任務を行う事が可能な警備犬がいる。 2020年(令和2年)10月24日に、行方不明者の捜索にあたっていた兵庫県警察の警察犬・クレバ号が突然走り出し、その拍子に鑑識課員の手からリード(引き綱)が離れて逃走してしまった。県警は鑑識課員ら約40人態勢で連日捜索を続け、ヘリコプターも投入した、捜索3日目となった10月27日午前に、逃げ出した場所から南西へ約100メートル離れた山頂付近で、木にリードが絡まって動けなくなっていたクレバ号を鑑識課員が見つけた、といったニュースが流れ、今後の処遇は決まっていない、などと伝えられた。 すると全国から「叱らず優しく接してあげて」「これからも警察犬としての活躍を応援している」などとクレバ号を応援する声が90件ほども寄せられ、それを受けて県警は「チャンスを与えたい」と再訓練を行い、GPSをつけて2021年2月に現場に復帰し、復帰4日目には手柄をあげた。なお2020年のクレバ号逃走の件をふまえて、兵庫県警では(クレバ号に限らず)直轄警察犬については、GPS付きの首輪をつけるようになった。
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