日本の警察の警杖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 08:07 UTC 版)
日本の警察では全長90cm・120cm・180cmの3種類がある。基本的には警備用の装備品であるが、犯罪捜査の際に遺留品を探すために藪を掻き分けたり、応急処置の担架の芯としても利用されるなど、広い用途で使われている。主に機動隊が装備するが、デモ活動の規制など乱闘が予想される現場には持ち込まない。 市民が日常的に目にする機会といえば、空港・鉄道駅改札前や警察署の玄関で警察官が警杖を手に立番している状況である。 警杖の歴史 1874年(明治7年) - 警視庁が創設され、巡査は「手棒」(3尺余りの棍棒)を、警部以上は刀を佩用した。 1883年(明治16年) - 全ての警察官にサーベルの佩用が許される。 1933年(昭和8年) - 警視庁に特別警備隊が発足。一般の警察官と異なり、特別警備隊員は警杖、短刀、拳銃を携行した。(一般の警察官の武装はサーベルのみ) 1946年(昭和21年) - 終戦を迎え、武装解除が行われる中、警察官のサーベル・短刀の佩用も禁止されることになり、その勅令が出され、警棒、警杖を携行することとされた。これを受け急きょ調達された警杖は機械削りのままの手触りの粗い、折れることもある粗末なものであったが、武装解除で丸腰に近い状態になっていた警察官にとって唯一の武器として頼りにされた。 1949年(昭和24年)5月30日・31日 - 東京都公安条例制定反対デモの取締りに警視庁予備隊が警杖を持って出動し、65名を検束した。このときGHQの指示で採用されていた新警棒を使用しなかったため、6月1日に警視庁教養課長がGHQに呼び出され、厳重な勧告とともに警杖の使用を一時禁止された。 警杖を持つ警視隊(1877年) 警視庁特別警備隊(昭和前期) 東京都公安条例制定反対デモを鎮圧する警視庁予備隊(1949年)
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