日本における歯科衛生士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 16:36 UTC 版)
「歯科衛生士」の記事における「日本における歯科衛生士」の解説
日本においては、歯科衛生士は1948年(昭和23年)制定の歯科衛生士法に基づく厚生労働大臣免許の国家資格となっており、免許状には、厚生労働大臣名が記載されている。歯科医師の指示の下、歯科予防処置、歯科診療補助および歯科衛生指導等を行う。現実的には、薬物の塗布、沈着物の除去、診療報酬の点数計算が主な業務内容となっている。またレントゲン撮影など人体に放射線を照射する業務を行うことはできない。 この指導は、2016年の改正で「歯科医師の直接の指導」が、「歯科医師の指導」に改正されたもので、これにより、歯科医師の判断により、「歯科医師の指導」の形態として、歯科医師の常時の立会いまでは要しないこととなり、歯科医師の確保が困難な地域においては、保健所や市町村保健センター等が、フッ化物塗布を行うことが可能になった。 厚生労働省の平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)によると、就業歯科衛生士は2014年末現在で116,299名であり、10年間で36,000名以上増加している。歯科衛生士養成所(短期大学、専門学校は3年制、大学は4年制であり、大学課程での歯科衛生士養成校も増加傾向にある。 現在のところ、看護師とともに需要が多い職業である。毎年7,000人以上の卒業者が出ているが、現在でも歯科衛生士不足が見られる。一因として、離職率の高さが指摘されている(詳細は歯科衛生士不足問題参照)。 歯科衛生士法は、制定時は「業とする者」であったものが、1955年の改正で本則では、女子のみに限定となったが、そのとき追加された同法附則第2項により男子にも同法が準用とされた。更に2014年の改正で、本則上も女子の限定が廃止されており、男性も資格取得可能であり、男性歯科衛生士はきわめて少数ではあるが存在する。近年、大学に歯科衛生士養成課程が新設されてからは、男子学生も在籍している。 多くの歯科衛生士養成施設では、女子のみの募集となっていて、資格取得機会の面で不均衡になっている。なお、平成24年6月30日の時点で、男性歯科衛生士は43名となっている。 勤務先の大半は歯科診療所である。医科病院の口腔外科や歯科に勤務する者もあるが、診療補助業務に関して、重複する看護師との住み分けは施設ごとに様々である。 歯科衛生士のうち2%は、行政の場を職場にしている。都道府県庁・保健所に勤務している歯科衛生士のうちおよそ66%、政令・中核市保健所・特別区に勤務している歯科衛生士のうちおよそ80%、市町村保健センター等に勤務している歯科衛生士のうちおよそ90%が母子保健に関わっている。
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