文学及び哲学
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デンマーク黄金時代の文学はロマン主義を中心に据えていた。ロマン主義は前述の通り、エレール・コレギウムで一連の講義を行った哲学者ヘンリク・ステフェンスが1802年に紹介、ドイツロマン主義を主題として自然や歴史、人間との関係を強調した。なお、この運動はロマン主義者なかんずくアダム・エーレンシュレーガー(1779年 - 1850年)により継承。今日では「詩集」(1803年)や「詩作品集」(1805年)などの作品が知られるところであるが、エーレンシュレーガーは瞬く間にデンマーク国内で第一級の詩人にまで上り詰めた。また、ベルンハルト・セヴェリン・インゲマン(1789年 - 1862年)も数多の戯曲を世に出す前にロマン主義的な詩集を刊行。その後は一連の小説や宗教詩が成功を収め、宗教詩については曲が付けられ、デンマークの教会で歌われる賛美歌に付け加えられる程、重要な地位を占めるようになる。 デンマークの文壇で大御所の1人に数えられるのは、ニコライ・フレゼリク・セヴェリン・グルントヴィ(1783年 - 1872年)であろう。グルントヴィは青年時代、「北方詩集」(1808年)や長編劇「北方の巨人の終焉光景」(1809年)を通じて、当時高まりつつあったナショナリズムを鼓吹。1810年代には従来の長編詩に加え、歴史小説をも物した。また、グルントヴィは讃美歌集を残し、正統教義に基づくルーテル教会の賛美歌を置き換える程、デンマークの教会活動に大きな変化を齎した。作詞あるいは翻訳された讃美歌は1500作に上り、その殆どは現在でも歌われることが多い。 ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805年 – 1875年)は童話作家として第一級の地位を占めてきたのは今更言うまでもないが、1835年から1872年まで、子どものみならず大人向けの童話を多数執筆した。最も有名な作品は『人魚姫』や『親指姫』、『マッチ売りの少女』、『雪の女王』そして『みにくいアヒルの子』などが挙げられよう。現代童話の父とされるアンデルセンは計156作品を執筆、そのうち12作品は民話に基づき書かれたものである。だが、この他にも『即興詩人』(1835年)など多くの紀行文学や自伝『我が人生というお伽話』(1855年)を残した。
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