文字学の資料とは? わかりやすく解説

文字学の資料

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 16:43 UTC 版)

字統」の記事における「文字学の資料」の解説

漢字にはその最古資料である殷王朝甲骨文大量に発見されており、当時文字全体を知ることができる。その最初著録である劉鶚の『鉄雲亀』が1903年出てその後羅振玉(『殷虚書契考釈』、1914年)や王国維(『戩寿堂所蔵殷虚文字考釈』、1919年)らが研究加え今日に至るまでに多く著録の書が出された。甲骨文資料からは、その象形的な初形から次第字形化されてゆく過程終始追跡することができるものもある。このような文字形成期資料これほど豊富にその全時期わたって存在するということは他に例を見ない金文資料時期的に古いものは甲骨文並行して存在する。それらは概ね白川の『金文通釈』に収録されている。 日本の古代文字学 甲骨文金文の学は日本においても早くから注目され林泰輔釈文付して刊行した亀甲獣骨文字』(1917年)をはじめとして、その翌年より高田忠周の『古籀篇』の刊行はじまり、また中島竦の『書契淵源』(1937年)が出された。『古籀篇』100巻は当時利用することのできた甲骨文金文網羅し、『書契淵源』5帙は金文資料まとめている。両書とも『説文解字』の字説に拘束されることなく字形学的な研究試みたのである。特に『古籀篇』は中国文字学界に大きな影響与えた本書引用書名 以下に本書引用書を記す。 『説文解字』(後漢許慎、『説文』とも) 『刊定説解字』(唐・李陽冰、亡佚) 『校定説文解字』(宋・徐鉉、『大徐本』とも) 『説文繫伝』(南唐徐鍇、『繫伝』『小徐本』とも) 『恵氏読説文記』(清・恵棟) 『説文解字注』(清・段玉裁、『段注』『段注本』とも) 『説文段注箋』(清・徐灝) 『説文解字義証』(清・馥) 『説文通訓定声』(清・駿声) 『説文解字経正字』(清・邵瑛、『群経正字』とも) 『説文句読』(清・王筠) 『説文釈例』(清・王筠) 『説文広義校訂』(清・呉善述、『広義校訂』とも) 『字説』(清・呉大澂) 『児笘録』(清・兪樾) 『説文管見』(清・胡秉虔) 『殷虚書契考釈』(清・羅振玉) 『史籀篇疏証』(清・王国維、『史籀篇』とも) 『文源』(民国義光) 以上の諸書は、丁福保の『説文解字』・『説文解字補遺』に集録されている。 『通志六書略』(南宋鄭樵、『六書略』とも) 『六書故』(元・戴侗) 『説文解字六書疏証』(民国・馬叙倫、『六書疏証』とも) 『毛詩草木鳥獣虫魚疏』(呉・陸璣) 『経典釈文』(唐・陸徳明、『釈文』とも) 『一切経音義』(唐・釈玄応、『玄応音義』とも) 『一切経音義』(唐・釈慧琳、『慧琳音義』とも) 『続一切経音義』(遼・釈希麟) 『新訳大方広仏華厳経音義』(唐・釈慧苑) 『古籀篇』(高田忠周) 『書契淵源』(中島竦) 『説文新義』(白川静

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