政策・主張(外交)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 07:06 UTC 版)
「ドナルド・トランプ」の記事における「政策・主張(外交)」の解説
「ドナルド・トランプ大統領の外遊の一覧」も参照 反共主義や自由化、民主化を掲げて介入するジョージ・W・ブッシュ元大統領をはじめとする共和党のネオコンや、ヒラリー・クリントンなどの民主党のタカ派(リベラルホーク)とトランプは一線を画していると見られており外国の事に関与するよりも国内問題に集中して取り組むべきだというモンロー主義(孤立主義)により近いという見方もある。トランプの古くからの親友で長年アドバイザーだったロジャー・ストーンはリチャード・ニクソンの崇拝者であり、トランプには輸入課徴金の採用やニクソンの演説の引用など、力を背景にしつつ保護主義的で国益重視だったニクソンの影響があるともされている。またニクソンの腹心だったヘンリー・キッシンジャーを「非常に尊敬している」として度々助言を仰いでいる。 トランプは自らの外交方針について「私は孤立主義者ではないが、’’米国が第一’’だ(I’m “America First.”)」「我々はあらゆる国と親しくするが、いかなる国に対しても付け入る隙を与えない」と要約している。 ときにアメリカのリベラル・保守派の双方が非難している他国指導者を支持するかのような発言が見られ、1990年にインタビューの中で、崩壊前年のソビエト連邦と天安門事件直後の中国について語った箇所は、トランプが共和党候補者でタカ派であるにも関わらず、共和党右派からも批判されている。 インタビュアーがソビエト連邦の情勢をどう見るか尋ねると、トランプは「ピケが多発しており、今すぐにも革命が起こる。ロシアはリーダーシップを失って混乱している。がっちりした手を講じないゴルバチョフ大統領(当時)に問題があるのだろう。」と答えた。 この前年(1989年)に起きた中国の天安門事件を念頭において「がっちりした手とは中国のような対応?」とインタビュアーが質問すると「中国は学生たちを一掃した。彼らは悪いやつで恐ろしい。だが、彼らは我々に力の強さを見せつけた。一方の我々の国は、弱くなっている」とコメントした。 また、「ソビエト連邦は転覆すると予言しておく。ゴルバチョフが極端な弱さを示しているからだ。突然いたるところで騒乱がおきて、究極的には暴力革命に繋がるだろう。ゴルバチョフは素敵なリーダー扱いされており今後も国際的な信用を増していくだろうが、それは彼がソ連を破壊しているからだ。」とゴルバチョフの改革がソ連を脆弱化させているという認識を示した。 この発言は、右派ナショナル・レビューの共和党とイラク戦争を支持する編集幹部から、「(ソ連や中国の強権政治について)こんな発言をする人間だからプーチンを褒めても驚くには値しない」「自由や民主主義や人権に背を向ける民主党のように、共和党まで落ちてしまうのか。」「私は残忍で殺人的で卑怯な中国政府を吹き飛ばしたかった!」と非難されている。 この発言はCNNで行われたテレビ討論会でも追及され、その際にも天安門で起きたことを支持していないと強調した上で、中国政府が「暴動」を押さえ込んだという表現を使ったことで、天安門事件でリーダー格だった王丹、魏京生やウイグル人ウーアルカイシといった著名な中国民主化運動家から「まるで中国共産党の指導者」「中国共産党による抑圧に反対する者への侮辱だ」「アメリカの価値観の敵」として抗議を受けている。 ロシアや中国とは小さくない問題を抱えているとしながらも、「敵対関係になってはならず、共通の利益を見いだすべきだ」とする外交方針を演説した。 トランプ政権初の国家安全保障戦略では「原則ある現実主義」「力による平和」を掲げ、中国とロシアを米国や国際秩序に挑戦する「修正主義国家」「競争相手」と呼ぶ一方で「米国の国益を守る前提で両国と協力を目指す」と述べ、さらにイランと北朝鮮を「ならず者国家」と位置付けて日本などの同盟国との連携を掲げた。
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