打狗英国領事官邸
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「打狗英国領事館文化園区」の記事における「打狗英国領事官邸」の解説
領事官邸は西子湾に面する海抜高度30メートルの高台(哨船頭山)にあり、北側は寿山、三方を断崖に囲まれている。麓の領事館とは石段で繋がっている。1877年1月に領事館の山頂の土地を取得、1879年8月より領事官邸が完成した。総面積は471平方メートル:頁42。日本統治時代から1979年までは海洋観測所として使われ、1987年に内政部により「英国領事館」として直轄市定古蹟登録を受ける。歴代の内外政権や使用者が転々としたことで、高台にある官邸と比べて麓の領事館の建築はあまり重要視されずに官邸のほうが領事館としばしば誤認されてきたが、実際には領事館ではなく官邸であり、2009年に訂正されるまでは誤った名称で登録されていたことになる。 領事官邸は植民地仕様の、薔薇と石彫が特徴のバロック建築で、イギリス人が設計した。採寸も英国式の度量衡でありヤードやフィートが使われている。四方を回廊式のバルコニーが囲んでいて柱の上部は半円状のアーチ構造となっている。各部屋には暖炉を備え、下層は地面の高さが不均等なため一部が地下室となっており、倉庫や貯蔵室として主に使われた。赤レンガは中国のアモイから運ばれている。竹状の排水管は清朝末期の洋館の特色。赤レンガの配置や装飾は北方ルネッサンス様式となっている。 山頂の領事官邸は快適性、安全性、プライベートの確保に適している物件として該当したため選定され、建物からは打狗港が一望できる視界の広さだけでなく、石段でしかアクセスできないことによる静粛性があり、領事館職員の住居、または外交使節の迎賓場所として使われた。 古蹟登録を受ける前年の1986年より官邸の修復構想が始動し、打狗港開拓と近代史の文献や鳳山県旧城(中国語版)の模型などを保存、展示する高雄史蹟文物陳列館として再開業。その後修復作業に入り、2004年に再オープンすると来訪者数は40万人超を記録した。2013年10月には台湾の実業家である黄騰輝がオーナーのティーサロン「古典玫瑰園(ローズハウス)」が官邸内に開業した。 領事官邸からの高雄港 官邸内の砲台 領事官邸からの国立中山大学 台湾海峡の夕陽 領事官邸からの旗後灯台
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