建設事業における積算の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 14:23 UTC 版)
「端数処理」の記事における「建設事業における積算の例」の解説
建設事業における積算において、当該業務の金額を算出する際に取り扱われる端数処理については、各種作業行為(請負工事、委託業務…)によってそれぞれ規定や定めがあり、それに従って端数処理が取り扱われる。 例として、「国土交通省土木工事積算基準」で第1編土木工事積算基準等通達資料の中の「土木工事積算要領及び基準の運用」に、「国土交通省土木工事標準積算基準書(共通編)」では第Ⅰ編総則第2章に、「土木工事積算マニュアル」では第5編「土木工事積算基準の解説」1章一般事項にそれぞれ諸雑費及び端数処理の方法が記載されている[いつ?]。たとえば土木請負工事における共通仮設費、一般管理費、現場管理費の経費率は全て、小数点以下第3位を四捨五入して2位止めにしているが、これは『国土交通省 土木工事標準積算基準書(共通編)』「P特−2−月−8」、「特−2−月−30」、「特−3−日−2」に記載された記述規定に基づく。 数量についても積算基準で定めがあり、建築では「建築数量積算基準」で「積算の数量は、設計図書から読みとることのできる設計数量によることを原則とする」としている。したがって、所要数量、 計画数量を必要とする場合は、その旨明記することになっている。また、 所要数量で表示する必要のあるときには、その割増率についても規定している。 長さ計測の単位はmとし、小数点以下3位を四捨五入する。一般に設計図書の寸法は「mm」単位で記入されているが、 そのまま計算すると非常に細かい数値となる。積算上では長さの計測は「m」が単位であるから、端数が多いとそれだけ作業効率が悪いばかりか計算違いのもとにもなりやすい。このため「建築数量積算基準」など各種積算基準書では、 積算精度を勘案して小数点以下3位を四捨五入し、「cm」の位までとしている。 計算数値の端数についても小数点以下3位を四捨五入する。電子データの場合は、入力時、計算途上で端数処理は行わなくてもよく、最後の内訳書に対応する数量で端数処理を行う。 また同一のものが数箇所ある場合の計算過程は、1箇所の長さ、面積、体積について四捨五入したのち、倍数を乗じる方法と、倍数を乗じた上で最後に四捨五入する方法と二通り考えられるが、前者は原則による計算とし、後者は便法による計算としている。多少の差はあるが、微細な誤差だけにほとんど問題はないので、いずれの方法によってもよいことになっている。 鉄筋の径、鉄骨材、木材の断面等は材料の規格を示すものであるので、この場合は上述の規定の適用外として、mmまで計測することとしている。また建築工事積算基準の第4編第2章第2節1通則および第5編第2種第2節6. (6).2)に示す通り、コンクリートの断面寸法も小数点以下3位まで計測し、木材の所要数量(体積)を求める場合もこの規定の適用外となっている。 設計図書の数量表示について、単位は言うまでもなく、長さm、面積m2、体積m3および質量tであり、表示される数量の端数については、小数点以下2位を四捨五入して小数点以下1位とする。ただし、100以上の数値については、四捨五入して整数とする、などがある。 単価表についても、川崎市の例などのように、有効数字に合わせた桁を、一次単価表では諸雑費をプラス計上、二次以下単価表では諸雑費をプラス計上せず切捨て、などの処置で端数を調整しているのが一般的である。 また、土木工事工事費積算要領及び基準の運用にあるとおり、単価表では、歩掛表に諸雑費率があるものは単位数量当りの単価表の合計金額が、有効数字4桁になるように原則として所定の諸雑費率以内で端数を計上し、歩掛表に諸雑費率がなく、端数処理のみの場合は単位数量当りの単価表の合計金額が有効数字4桁になるように原則として端数を計上しており、単価表の各構成要素の数量×単価=金額は小数第2位までとして3位以下は切り捨てているが、内訳書では諸雑費は計上せず、内訳書の各構成要素の数量×単価=金額は1円までとし、1円未満は切り捨てている。
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