建築物環境衛生管理技術者の職務と役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 15:49 UTC 版)
「建築物環境衛生管理技術者」の記事における「建築物環境衛生管理技術者の職務と役割」の解説
管理技術者の職務は、特定建築物の環境衛生上の維持管理に関する業務を全般的に監督することである。その職務の範囲には、特定建築物が管理基準に従って維持管理されているかを監督することはもちろん、照明や騒音防止など、その他の環境衛生に関する事項の維持管理についても含まれている。 具体的には、次のようなことが挙げられる。 《維持管理業務計画の立案》 年間または長期にわたる衛生的環境の確保のための総合計画 衛生的環境の確保に関する個別計画 空調設備の整備計画 給排水設備の整備計画 空気環境等の測定計画 水質検査実施計画 清掃及びゴミ処理の実施計画 ねずみ衛生害虫の点検防除計画 設備、機器等の整備、改修に関する計画(必要経費の検討を含む) 現場技術者に対する講習会、研修会等の企画 《維持管理業務の全般的実施》 帳簿書類(年間管理計画、ビル管理日誌、機械運転の整備日誌等)の整備 計画に基づく施設管理、清掃、ゴミ処理、ねずみ、衛生害虫の点検 等実施状況の監督 建築物の安全管理に関する確認 設備等の点検、整備担当者に対する技術指導 営繕工事の発注及び工事監督 《環境衛生上の維持管理に関する測定又は検査の管理とその評価》 空気環境等の測定実施、データの評価と活用 換気量、換気回数、外気導入量、居室利用形態等の点検 給水栓末端の残留塩素濃度測定、水質基準に基づく水質検査の実施 空調、給排水、ボイラー等、各種機器の整備及び能力の検証 照明、騒音、その他の環境衛生上必要な調査の実施とその評価 その他施設の総合的点検と問題点の把握 《是正措置》 帳簿書類の様式の改正及び記載方法の改善 居室利用形態の是正 室内空気環境や飲料水の水質などの問題点の改善 清掃、ゴミ処理等の処理方式の改善 設備・機器等の老朽化、能力低下への対応策の検討及び改善案の作成 所有者などに対する意見具申(改善案の提示) 以上の職務を遂行するために管理技術者は次のことを心がけておく必要がある。 ・技術管理の目標、範囲、管理基準等を常に正確に把握しておくこと ・室内環境衛生に関連のある各種の環境要素の衛生的意義を理解しておくこと ・当該特定建築物の建築構造、機械設備の機能等を熟知しておくこと ・管理基準の衛生学的な意義、測定機器の機能、測定結果に対する評価、結果に対する措置等に関する一連の知識を十分に心得ておくこと 管理技術者は日常管理等のデータを積み重ねながら、管理基準を遵守する自主管理体制を推進していかなくてはならない。そして、所有者、管理者、使用者の三者による緊密な連絡調整をとりながら、必要に応じて使用者(テナント)に対する衛生教育を行い、衛生的な環境の確保を図っていくことが職務上肝要となる。
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