建築と改築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 14:58 UTC 版)
邸宅は黄褐色の石灰岩から造られ、8室のベッドルームとバスルームを含む23室の部屋で構成される。ドアの前には風の神殿と呼ばれる4本の円柱、屋根付きの玄関の両側には2匹の大きなライオンが座っている。 邸宅購入後、プレスリーは彼の好みに合わせ大改築を行なった。敷地を囲む自然石壁、精巧に作られた音楽をテーマにした門、プール、ラケットボール・コート、屋内の滝を特徴とする有名な「ジャングル・ルーム」など。1976年2月と10月、ジャングル・ルームはレコーディング・スタジオとして利用され、プレスリーは彼の最後の2枚のアルバム、『メンフィスより愛をこめて』と『ムーディ・ブルー』の大部分を録音した。これらが彼の最後の公式録音となる。 彼の施した大きな改築のうちの1つは瞑想の庭の追加であり、現在エルヴィス、彼の両親ヴァーノン、グラディス、祖母が埋葬されている。小さな墓標は出生時に亡くなったエルヴィスの双子の兄ジェシー・ギャロンの記念碑である。瞑想の庭はエルヴィスが亡くなった翌年の1978年より、グレイスランドは1982年6月7日より一般公開されている。 批評家のアルバート・ゴールドマンの著書『エルヴィス』(1981年)第1章によると「彼の家には10セントの価値もない」まるで売春宿だと言った。「ニューオーリンズのフレンチ・クオーターの世紀末前後の売春宿から持ってきたようだ。」そして彼は「けばけばしい」「ゴテゴテしている」、「まがい物」と切り捨て「キング・エルヴィスのこの執念ギャグとしか思えない。」と付け加える。「エルヴィスと同じ境遇であれば同じようになるだろう。」、グレイスランドを訪れたグリール・マーカスは同様に「一言で述べると『品がない。』品がないまたはまがい物あるいは悪趣味など、いかにも白人貧困層といった感じだ。」『グレイスランド:ゴーイング・ホーム・ウイズ・エルヴィス』の中で装飾芸術に関係するカラル・アン・マーリングはこの場所同様創造的であると述べる。グレイスランドの「珍品の陳列は彼のセンスの証」とマーリングは主張し、彼が有名になる前にB.B.キングに気付かれた十代のエルヴィスの「個人のスタイルへの激しい懸念」と70年代の「テーマのある服」のファッション・センスからもわかる。「本物である証であり、輝く栄光である」。しかし特筆すべきなのは、4年間の付き合いのあったプレスリーのガール・フレンド、リンダ・トンプソンが彼女独自のスタイルでグレイスランドのほとんどを飾りつけたということである。プレスリー自身でさえ「彼女の赤い毛皮とヒョウ皮ルックに驚いた。」と言った。 プレスリーが購入した当初グレイスランドは10,266平方フィート(953.7平方メートル)だったのが現在17,552平方フィート(1,630.6平方メートル)まで広がった。施設のマネージャーは、新しいビジター・センター、500室のコンベンション・ホテル、ハイテク博物館を含む大改革プロジェクトを発表した。現在のビジター・センター、おみやげ店、128室のハートブレイク・ホテル、博物館は、取り壊されて新しい施設と入れ替えられる。プロジェクトは完了するまでおよそ3年がかかる。
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