対称性の群とは? わかりやすく解説

対称性の群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 08:22 UTC 版)

ポワンカレの上半平面モデル」の記事における「対称性の群」の解説

射影線型群 PGL(2,C) はリーマン球面一次分数変換作用する。この群の部分群上半平面 H を H 自身の上に移すものは、すべての係数実数あるよう変換全体の成す群 PSL(2, R) で、その作用上半平面推移的かつ等距ゆえ、上半平面はこの作用に関する等質空間となる。 上半平面一次分数変換作用し、かつその双曲距離を保つリー群としては、近しい関係にあるものが4つ存在する特殊線型群 SL(2, R): 成分実数の 2 × 2-行列でその行列式が 1 であるもの全体の成す群。多く文献で、実際にPSL(2, R) を意味するところをしばしば SL(2, R) と言っている場合があるので注意。 群 S*L(2, R): 成分実数の 2 × 2-行列でその行列式が 1 または − 1 であるもの全体の成す群。SL(2, R) はこの群の部分群である。 射影特殊線型群 PSL(2, R) = SL(2, R)/{±I}: SL(2, R) に属す行列単位行列の ±1-倍を掛ける違いを除いて考えた同値類全体の成す群。 群 PS*L(2, R) = S*L(2, R)/{±I} = PGL(2, R): 群 S*L(2, R) に属す行列同様に単位行列の ±1-倍を掛ける違いを除いて考えた同値類全体の成す群はそれ自身射影群である。PSL(2, R) は指数 2 の正規部分群含み、それによるその部分群自身とは異なるもう一方剰余類は、成分実数の 2 × 2-行列単位行列の ±1-倍を掛ける違いを除いてその行列式が −1 となるもの全体の成す集合である。 ポワンカレ模型におけるこれらの群の関係は以下のようなのである。 しばしば Isom(H) と書かれる H の等距変換全体の成す群は PS*L(2,R) に同型である。これは向きを保つものも逆にするものも含まれている。向き逆にする変換ミラー変換)は z ↦ − z ¯ {\displaystyle z\mapsto -{\bar {z}}} である。 しばしば Isom+(H) と書かれる H の向きを保つ等距変換全体の成す群は PSL(2, R) に同型である。 等距変換群の重要な部分群フックス群がある。 モジュラー群 SL(2,Z) を考えることもよくある。この群は二つの面で重要である。ひとつは、それが 2 × 2 の格子点の成す正方形の対称性の群であり、したがってモジュラー形式楕円函数のような正方格子上に周期を持つ函数には、その格子から SL(2, Z)-対称性継承されることである。もうひとつは、SL(2, Z) はもちろん SL(2,R) の部分群なので、その双曲的振舞い持っていることである。特に SL(2, Z) は双曲平面等価ポワンカレ領域の胞体に分割することができる。

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対称性の群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/30 07:26 UTC 版)

射影直線」の記事における「対称性の群」の解説

極めて一般に、K に係数を持つ射影変換群射影直線 P1(K) に作用する。この群はこれら変換射影的特性を持つことを強調して PGL2(K) と書かれる。この作用推移的であり、したがって P1(K) は PGL2(K) の等質空間となる。作用推移的であるとは、任意の点 Q を別の任意の点 R に写すような射影変換が必ず存在するということである。従って P1(K) 上の無限遠点」とは座標系選んだことによって生じた人工物に過ぎないのである実際、斉次座標英語版) [X : Y] ~ [λX : λY] は二次元平面の非な点 (X, Y) が載った一次元部分空間を表すが、射影直線対称性によって点 ∞ = [1 : 0] は他の点に写されるのだから、それらを区別する要はない。 より強い事実成立する相異なる任意の三点 Qi (i = 1, 2, 3) が与えられたとき、それを適当な射影変換選んで他の任意の三点 Ri (i = 1, 2, 3) に写すことができる(三重推移性)。組に属する点の数は、PGL2(K) は三次元なので、これ以上増やすことができない。即ち、この群作用は鋭三重推移的である。このことの計算論側面として 複比英語版)がある。実際、逆のことが一般化された形で成り立つ: 「体」を「KT-体」(乗法逆元をとる操作適当な種類対合一般化する)に置き換え、「PGL」もそのような場合射影線型写像一般化し考えるとき、任意の三重推移的群作用は必ず射影直線への一般化された PGL2(K) の作用同型である。

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