正則地図と三角群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 23:33 UTC 版)
5つの正多面体(正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体)を2次元の曲面として見ると、曲面の対称性で任意の旗(接合している頂点・辺・面の3つ組のこと)を他の旗に持っていくことができるという性質を持っている。一般に、曲面に埋め込まれた地図であって同様の性質を持つもの、すなわち任意の旗が他の任意の旗に対称性により変換できるものは、正則地図(英語版)(regular map)と呼ばれる。 正則地図から整デッサンが作られ、そのデッサンから3角形分割されたリーマン面が作られたとき、3角形の辺は曲面の対称性の直線上に乗り、その直線に沿っての鏡映(reflection)は3角群(英語版)と呼ばれる対称性の群を生成し、3角形はその基本領域になっている。例えば、正十二面体に対してこれを適用すると、図のような3角形の集合ができあがる。正則地図が乗っている曲面の種数が1より大きいとき、その曲面の普遍被覆は双曲平面となり、双曲平面に持ち上げられた3角形分割に対応する3角群は、双曲平面の等長写像の離散集合からなる(余コンパクト)フックス群(英語版)になる。このとき、元の曲面は、この群の有限指数部分群 Γ で双曲平面の商を取ったものになっている。 逆に、(2,3,n) タイル貼り(角度が π/2, π/3, π/n の3角形による、球面、ユークリッド平面、もしくは双曲平面のタイル貼り)による商となっている任意のリーマン面に対して、その随伴するデッサンはこの群の位数2と位数3の生成元によって与えられるケイリーグラフである[要出典]。このタイル貼りを与えることと、同じ曲面の頂点ごとに3点で交わる n 角形タイル貼りを与えることは同値である。このタイル貼りの頂点がデッサンの黒点を与え、辺の中心が白点を与え、面の中心が無限上の点を与える。
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