双曲平面のタイル貼り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 04:58 UTC 版)
「モジュラー群」の記事における「双曲平面のタイル貼り」の解説
モジュラー群 Γ は H 上に PSL(2, R) の離散部分群(discrete subgroup)として作用する、つまり、H の各々の 元 z に対して、z の近傍をとり、z の軌道の他の元を含まないようにすることができる。このことはまた、基本領域(英語版)を構成することができることを意味する。(大まかには、)基本領域は H の中のすべての z の軌道からちょうど一つづつの代表元を選ぶことで構成することができる。(領域の境界に注意が必要である。) 基本領域を構成する方法は多数あるが、すべてに共通なことは、領域 R = { z ∈ H : | z | > 1 , | Re ( z ) | < 1 2 } {\displaystyle R=\left\{z\in \mathbf {H} :\left|z\right|>1,\,\left|\,{\mbox{Re}}(z)\,\right|<{\frac {1}{2}}\right\}} は、垂直線 Re(z) = 1/2 と Re(z) = −1/2 と円 |z| = 1 により囲まれていることであり、双曲三角形である。また、頂点 1/2 + i√3/2 と −1/2 + i√3/2 を持ち、辺どうしのなす角度が π/3 であり、三番目の頂点が無限点では、辺どうしのなす角度が 0 である。この領域をモジュラー群の各々の元で変換すると、合同双曲三角形により双曲平面のタイリングが作られる。そのような三角形は無限点か、または実軸 Im(x) = 0 上のどちらかに一つの頂点を持つことに注意する。このタイリングはポアンカレ円板の拡張であり、そこではすべての双曲三角形が円板の境界に一つの頂点を持つ。ポアンカレ円板のタイリングは、モジュラー群の下に不変であるJ-不変量により自然な方法で与えられ、すべての複素数にこれらの領域の各々の三角形の中のひとつの点が与えられる。 このタイリングは、各々の領域を半分づつに分割(黒色と白色と塗り分けて)し、反対の向きを加えることで、少し改善することができる。(x, y) ↦ (−x, y) と変換し、領域 R (Re(z) ≥ 0) の右半分をとることは、通常のタイリングをとることである。まず、このタイリングは(Klein & 1878/79a),で提示され、このことはリヒャルト・デデキント(Richard Dedekind)による(Dedekind 1877) を参照した。 (モジュラー群から三角形群への)写像 (2, 3, ∞) → (2, 3, n) の群は、このタイリングのことばで(モジュラー曲線のタイリングである)右図のように可視化することができる。
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