J-不変量とは? わかりやすく解説

j-不変量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 02:30 UTC 版)

複素平面内のクラインの j-不変量

数学では複素変数 τ の函数であるフェリックス・クラインj-不変量 (j-invariant)(もしくはj-函数)とは、複素数の上半平面上に定義された SL(2, Z) のウェイト 0 のモジュラー函数である。j-不変量として、尖点で一位の極を持つ以外は正則な関数であり、次を満たすものが一意に定まる。

上半平面上に作用するモジュラ群の基本領域

2つの変換 τ → τ + 1 と τ → -τ−1モジュラ群と呼ばれるを生成し、この群は射影特殊線型群 PSL(2, Z) と同一視できる。この群に属する適当な変換


j-不変量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 02:15 UTC 版)

ヴァイエルシュトラスの楕円函数」の記事における「j-不変量」の解説

上記不変量用いて j ( ω 1 , ω 2 ) = 1728 g 2 3 Δ {\displaystyle j(\omega _{1},\omega _{2})={\frac {1728g_{2}^{3}}{\Delta }}} と定めると、 Δ および g23はともに次数12斉次函数であるから j は次数 0 の斉次関数である。つまり τ = ω2/ω1 ならばつねに j ( ω 1 , ω 2 ) = j ( 1 , τ ) {\displaystyle j(\omega _{1},\omega _{2})=j(1,\tau )} が成り立つ。したがってこれは周期比 \tau=ω2/ω1 によってのみ定まるので1変数関数 j ( τ ) = j ( 1 , τ ) = 1728 g 2 3 ( 1 , τ ) Δ ( 1 , τ ) {\displaystyle j(\tau )=j(1,\tau )={\frac {1728g_{2}^{3}(1,\tau )}{\Delta (1,\tau )}}} が定義される。これをフェリックス・クラインの j-不変量、j-函数、あるいは単に j-不変量 (j-invariant) という。 Im(τ)>0 において g2 および g3正則で Δ(τ) ≠ 0 が成り立つから、 j-不変量も Im(τ)>0 において正則である。また不変量周期格子にのみ依存することからモジュラー変換により不変である。つまり a,b,c,d が adbc = 1 を満たす整数(つまり ( a b c d ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}}} がモジュラー群 SL(2, Z) に属する)のとき Im(τ)>0 において j ( a τ + b c τ + d ) = j ( τ ) {\displaystyle j\left({\frac {a\tau +b}{c\tau +d}}\right)=j(\tau )} が成り立つ。そして j-不変量についてはフーリエ級数は、ノーム q = exp(iπτ) の平方用いて、 j ( τ ) = q − 2 + 744 + 196884 q 2 + ⋯ {\displaystyle j(\tau )=q^{-2}+744+196884q^{2}+\cdots } となる(係数は(オンライン整数列大辞典数列 A000521)により与えられる)。

※この「j-不変量」の解説は、「ヴァイエルシュトラスの楕円函数」の解説の一部です。
「j-不変量」を含む「ヴァイエルシュトラスの楕円函数」の記事については、「ヴァイエルシュトラスの楕円函数」の概要を参照ください。

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