正則化項の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/14 14:15 UTC 版)
劣決定な逆問題では、与えられたデータ y だけでは拘束条件 Kx=y を満たす推定パラメタ x が一意に決まらないため、正則化項 R を第二項に加えた J = ( K x − y ) ⊺ ( K x − y ) + R {\displaystyle J=({\boldsymbol {K}}{\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {y}})^{\intercal }({\boldsymbol {K}}{\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {y}})+{\boldsymbol {R}}} を最小にする x を求めた。第二項には第一項に含まれていない情報が付加されている。上記の例では、「推定パラメタはほとんど零である」や「推定パラメタはばらつきが少ない」などである。その情報は、問題が与えられる前にすでに期待されていることだから、先験情報(あるいは事前情報)と呼ばれる。これに対応させて、第一項を事後情報ととらえ、逆問題をベイズ統計学の観点から考えることもできる。 一般に、第一項はデータのノイズに敏感で、推定パラメタに大きな変動や空間スケールの小さな構造をもたらす。一方、第二項は推定パラメタを滑らか・安定にする働きをもつ。問題に応じて、第一項と第二項の比は(ときに主観的に)決められる。
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