射影線型群
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 06:05 UTC 版)
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数学における射影線型群(しゃえいせんけいぐん、英: projective linear group)あるいは射影一般線型群(しゃえいいっぱんせんけいぐん、英: projective general linear group)とは一般線型群の中心による剰余群のことである。
同様に、射影特殊線型群(しゃえいとくしゅせんけいぐん、英: projective special linear group)とは特殊線型群の中心による剰余群のことである。 有限体上の射影特殊線型群はほとんどの場合に非可換有限単純群となる。
定義
体 F 上の線型空間 V の射影一般線型群とは、V 上の一般線型群 GL(V) の中心 Z(V) による剰余群 PGL(V) = GL(V) / Z(V) のことである。この中心 Z(V) は非零スカラー変換全体のなす群と一致する。
同様に射影特殊線型群とは、V 上の特殊線型群 SL(V) の中心 SZ(V) による剰余群 PSL(V) = SL(V) / SZ(V) のことである。この中心 SZ(V) は行列式が 1 であるスカラー変換全体のなす群と一致する。
特に V = Fn のとき PGL(V)や PSL(V) の代わりに PGL(n, F) や PSL(n, F) と表記されることもある。
名前の由来
射影線型群という名前は射影幾何学から発生した。ここに、同次座標系 (x0: x1: …: xn) に作用する射影群は、射影幾何学の基礎をなす群である。 (注意:従って、PGL(n + 1, F) は、n 次元射影空間に対する群である。) 言い換えれば、群 GL(V) の V への自然な作用は、PGL(V) の射影空間 P(V) への作用を引起こす。 従って、射影線型群は、一次分数変換全体の群 PGL(2, C) (時としてメビウス群ともいう)を一般化したものである。ここで、PGL(2, C) は、複素射影直線に作用する。
有限体上の射影線型群
この節では特に位数 q の有限体 Fq 上の射影線型群について述べる。このとき PGL(n, Fq) = PGL(n, q) や PSL(n, Fq) = PSL(n, q) = LF(n, q) = Ln(q) などと表すこともある。
位数

- 日本数学会 編『岩波数学辞典』(第4版)岩波書店、2007年3月。ISBN 978-4000803090。
- Aschbacher, Michael (2000). Finite Group Theory. Cambridge University Press. ISBN 0-521-78675-4. Zbl 0997.20001
関連項目
射影変換群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 08:58 UTC 版)
一般線形群 GL(n + 1, K) はベクトル空間 V = Kn+1 に原点を固定して作用し、原点を通る直線を原点を通る直線に写すので、射影空間 KPn には GL(n + 1, K) が作用する。単位行列の定数倍は射影空間に自明に作用するので、この作用は剰余群 PGL(n, K) = GL(n + 1, K)/K× を経由する。群 PGL(n, K) をKPn の射影変換群 (projective linear transformaton group) と言う。射影変換群は、代数多様体としての(あるいは K = C のときは、複素多様体としての)KPn の自己同型群にほかならない。 GL(n + 1, K) の KPn への作用の1点の等方部分群 (stabilizer) は ( a ∗ 0 A ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}a&*\\0&A\end{pmatrix}}} ただし a ∈ K × , A ∈ G L ( n , K ) {\displaystyle a\in K^{\times },\quad A\in GL(n,K)} の形の行列からなる部分群 H であり、空間 KPn は、剰余類 GL(n + 1, K)/H と同型である。すなわち、KPn は等質空間である。等質空間としての記述の点でも、射影空間はグラスマン多様体や旗多様体のもっとも簡単な場合に当たる。
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