実射影直線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:20 UTC 版)
初等幾何学における実射影直線(じつしゃえいちょくせん、英: real projective line)は、通常の直線の概念の拡張で、歴史的には透視図法に基づいて設定された問題を解決するために導入された。例えば平行線は決して交わらないが、透視図では「無限遠」で交叉するように見える。この問題の解決に際して無限遠点が導入され、そうして得られた実射影平面において、相異なる二つの射影直線はただ一点のみで交わる。このような無限遠点全体の成す集合は、平面透視図法における「地平線」であり、それ自身がひとつの実射影直線となる。これは任意の点に位置する観測者から発せられた方向を持つ円の、反対にある点を同一視したものである。実射影直線のモデルとして射影補完実数直線がある。透視図に地平線を表す直線を描くことで、無限遠に余分な点が地平線へ伸びる平行線の集まりを表現するために追加される。
- ^ この P1(R) の構成に用いた論法は任意の体 K と任意の次元において用いることができて、射影空間 Pn(K) が構成できる。
- ^ Bruce E. Meserve (1955) Fundamental Concepts of Geometry, p. 89, - Google ブックス
- ^ V.V. Prasolov & V.M. Tikhomirov, O.V. Sipacheva translator (2001) Geometry, pages 90, 138, 139, Translations of Mathematical Monographs 200, American Mathematical Society ISBN 0-8218-2038-9
- 1 実射影直線とは
- 2 実射影直線の概要
- 3 構造
- 4 参考文献
実射影直線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/30 07:26 UTC 版)
詳細は「実射影直線」を参照 実数体 R 上の射影直線を実射影直線と呼ぶ。これは実数直線 R = R1 に理想化された一つの無限遠点 ∞ を付け加えたものとしても考えられ、R1 の両端点は無限遠で接合されて閉路(位相的な意味での円周)を成す。 これは例えば、実平面 R2 の各点を単位円周の上への射影して対蹠点(英語版)を同一視することで得られる。群論の言葉で言えば、円周群をその部分群 {1, −1} で割った剰余群である。 実数直線 R1 に相異なる二つの無限遠点 ∞, −∞ を付け加えて得られる補完数直線の場合と比較せよ。
※この「実射影直線」の解説は、「射影直線」の解説の一部です。
「実射影直線」を含む「射影直線」の記事については、「射影直線」の概要を参照ください。
- 実射影直線のページへのリンク