自己同型群とは? わかりやすく解説

自己同型

(自己同型群 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/06 10:14 UTC 版)

数学において自己同型(じこどうけい、: automorphism)とは、数学的対象から自分自身への同型射のことを言う。ある解釈においては、構造を保ちながら対象をそれ自身へと写像する方法のことで、その対象の対称性を表わしていると言える。対象の全ての自己同型の集合はを成し、自己同型群(automorphism group)と呼ばれる。大まかにいえば、自己同型は、対象の対称群である。


  1. ^ PJ Pahl, R Damrath (2001). “§7.5.5 Automorphisms”. Mathematical foundations of computational engineering (Felix Pahl translation ed.). Springer. p. 376. ISBN 3-540-67995-2. http://books.google.com/?id=kvoaoWOfqd8C&pg=PA376. 
  2. ^ Yale, Paul B. (May 1966). “Automorphisms of the Complex Numbers”. Mathematics Magazine 39 (3): 135–141. doi:10.2307/2689301. JSTOR 2689301. http://www.maa.org/sites/default/files/pdf/upload_library/22/Ford/PaulBYale.pdf. 
  3. ^ Lounesto, Pertti (2001), Clifford Algebras and Spinors (2nd ed.), Cambridge University Press, pp. 22–23, ISBN 0-521-00551-5 
  4. ^ Sir William Rowan Hamilton (1856). “Memorandum respecting a new System of Roots of Unity”. Philosophical Magazine 12: 446. http://www.maths.tcd.ie/pub/HistMath/People/Hamilton/Icosian/NewSys.pdf. 


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自己同型群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/06 10:14 UTC 版)

自己同型」の記事における「自己同型群」の解説

対象 X の自己同型全体が(真のクラスではなく集合をなす場合、この集合写像の合成の下に群をなす。この群を X の自己同型群と呼ぶ。これが群をなすことは、以下のことから簡単に確認できる閉性(Closure):2つ自己準同型合成は再び自己準同型となる。 結合法則(Associativity): 射の合成は常に結合的である。 単位元(Identity): 対象からそれ自身への恒等写像単位元となる。 逆元(Inverses): 定義より、全ての同型逆写像を持つ。その逆写像同型であり、また自己準同型でもあるため、それは自己同型となる。 圏 C の対象 X の自己同型群は、AutC(X) あるいは、圏が前後関係より明らかな場合は、単に Aut(X) と書く。

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自己同型群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/08 06:00 UTC 版)

基本アーベル群」の記事における「自己同型群」の解説

ベクトル空間としての V は基底 {e1, …, en} を上で述べた通りに持つ。V の任意の n 個のベクトル {v1, …, vn} を取るとき、線型代数学知識用いて写像 T(ei) = vi は V の線型変換一意拡張されることが示せる。そのような T の各々は V から V への群準同型としての自己準同型と見ることもできるし、線型変換としての自己準同型と見ることもできる。 V の自己同型限って考えればAut(V) := {T: V → V | ker T = 0} = GLn(Fp) は Fp 上の n-次正則行列全体の成す一般線型群である。 自己同型群 GL(V) = GLn(Fp) はベクトル空間一般論により V ∖ {0} に推移的作用する。実はこれが任意の有限群の中で基本アーベル群特徴付ける性質である。すなわち、G が有限群でその単位元を e とし、Aut(G) が G ∖ {e} に推移的作用するならば G は基本アーベル群である。(証明: Aut(G) が G ∖ {e} に推移的作用するならば、G の単位元でない任意の元は同じ位数持ち、それは素数である必要があるから、G は p-群である。p-群非自明な中心を持つが、いまそれは任意の自己同型不変であるから G 全体一致する。)

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自己同型群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 00:51 UTC 版)

交代群」の記事における「自己同型群」の解説

詳細は「対称群と交代群の自己同型群」を参照 nAut(An)Out(An)n = 1, 21 1 n = 3 C 2 {\displaystyle C_{2}} C 2 {\displaystyle C_{2}} n ≥ 4, n ≠ 6 S n {\displaystyle S_{n}} C 2 {\displaystyle C_{2}} n = 6 S 6 ⋊ C 2 {\displaystyle S_{6}\rtimes C_{2}} V = C 2 × C 2 {\displaystyle V=C_{2}\times C_{2}} 一般の n > 3 (n ≠ 6) に対する An の自己同型群は対称群 Sn で、内部自己同型群として An を外部自己同型群として Z/2Z を持つ。このとき外部自己同型群は奇置換による共軛変換から得られるn = 1, 2 のとき自己同型群は自明群である。n = 3 の場合の自己同型群は Z/2Z で、内部自己同型群自明外部自己同型群は Z/2Z である。 A6外部自己同型群はクラインの四元群 V = Z2 × Z2 であり、S6 の外部自己同型に関係がある。The extra outer automorphism in A6 swaps the 3-cycles (like (123)) with elements of shape 32 (like (123)(456)).

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自己同型群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:20 UTC 版)

実射影直線」の記事における「自己同型群」の解説

P1(R) 上の写像射影変換 (homography, projectivity) と呼ばれる。これら自己同型中心射影英語版)あるいは平行射影英語版)およびそれらの合成によって人為的に構成することができる。斉次座標系用いれば自己同型全体射影線型群 PGL(2, R) によって与えられる。これは実二次正方行列互いに定数倍のみ異なるもの同士同一視したものによって得られる具体的には、PGL(2, R) の元は、x を射影直線上のアフィン座標とする一次分数変換 x ↦ a x + b c x + d ( a db c ≠ 0 ) {\displaystyle x\mapsto {\frac {ax+b}{cx+d}}\quad (ad-bc\neq 0)} によって実現される。 群 PGL(2, R) は実射影直線三重推移的、つまり相異なる点の三つ組二つ与えられたとき、必ず一方三つ組他方三つ組に写す自己同型写像がただ一つ存在する任意の一点の(特に「無限遠点」の)一点固定群は、直線アフィン群になる。 PGL(2, R) は、ローレンツ群の部分群である擬直交群 SOo(1,2) に同型であるから実射影直線上の自己同型ローレンツ変換として表すことができる。例えローレンツブースト f ( x ) = x + v / c x v / c + 1 {\displaystyle f(x)={\frac {x+v/c}{xv/c+1}}} f(1) = 1, f(–1) = –1, f(0) = v/c なる性質を持つ ℤ ⊂ ℝ ⊂ ℂ であるから射影変換群 PGL(2, R) はモジュラー群 PGL(2, Z) とメビウス群 PGL(2, C) の中間にある。

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