双有理自己同型群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 09:06 UTC 版)
代数多様体は、それらがどれくらい多くの双有理自己同型を持っているかに大きな幅がある。一般型のすべての多様体は、双有理自己同型群は有限群であるという意味で、極度に剛性を持っている。反対の例は、体 k 上の射影空間 Pn の自己同型群は、クレモナ群(英語版) Crn(k) として知られているが、n ≥ 2 に対しては大きい(ある意味では無限次元である)。n = 2 に対しては、少なくとも複素クレモナ群 Cr2(C) は、 P2 の自己同型である群 PGL(3,C) とともに、次の「二次変換」により生成される。 [x,y,z] ↦ [1/x, 1/y, 1/z] このことはマックス・ネター(英語版)(Max Noether)とグイド・カステルヌオボー(英語版)(Guido_Castelnuovo)により指摘された。対照的に、次元 n ≥ 3 のときのクレモナ群は非常にミステリアスで、明らかな生成しか知られていない。 Iskovskikh-Manin (1971)は、滑らかな4次3次元多様体の双有理自己同型群が、有限である自己同型群に等しいことを示した。この意味で、4次3次元多様体は有理多様体とは遠い存在である。なぜならば、有理多様体の双有理自己同型群は巨大であるからだ。この「双有理剛性」とでもいうべき現象は、多くのファノファイバー空間の多くに発見されている。
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