3-次元多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 04:12 UTC 版)
3-次元多様体(もしくは、短く 3-多様体)は、局所的に 3次元の写像により記述される、つまり、小さな領域では通常の 3次元ユークリッド空間となるような位相空間のことを言う。しかし、3次元多様体の全体を、3次元空間の部分集合と考えることは一般にはできない。このことは 2次元で考えるとで明らかとなる。2次元の球面(英語版)(sphere)(つまり、曲面)は、局所的には 2次元の写像により拡張することができる(通常の地図もそのような平面のひとつである)。しかし、一度に 2次元のユークリッド平面上に、2-球面の全体を表すことはできない。この 2次元の例の 3次元での写像の類似物が(多様体を被覆する各々の開近傍どうしの交わり上の)座標変換であり、3次元多様体全体を決定する。 座標変換が可能(座標変換は連続であったり、微分可能であったり、無限回微分可能であったりする)か否かが、より高次元では問題となるが、次元 3 のときは該当せず、3-次元多様体の特別な性質を持っていると言える。詳しくは、数学的には各々の3-次元位相多様体(topological 3-manifold)の上には、一つの微分可能構造を持つ 3-次元多様体でしかあり得ないということ言うことができる。また、3-次元多様体の研究で、トポロジーの方法と微分幾何学の方法は組み合わせることができる。これを扱う分野は、(統一されて)3-次元幾何学、3-次元トポロジーと呼ばれる。 3-次元幾何学とトポロジーの目的は、閉じた(つまり、境界のない)3-次元多様体全体の分類し理解することである。2-次元多様体の場合と比較して、閉 3-次元多様体の数は非常に多いので、この問題は難しい。 ウィリアム・サーストンによる幾何化予想(幾何化プログラム)の提案は、3-次元多様体をうまく分解して、各々の部分が固有な幾何学を持ち、固有の幾何学はこの各々の部分のトポロジカルな構造を特徴付けることにより、上記の分類を導くという提案である。
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