宿主の範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 01:21 UTC 版)
本群の寄生対象となる生物は小型の節足動物であり、主として昆虫である。昆虫ではゴキブリ目(シロアリ含む)、甲虫目、ハサミムシ目、ハエ目、カメムシ目、ハチ目(アリ)、チャタテムシ目(ハジラミ)、バッタ目、アザミウマ目が知られている。しかしながら、実際には宿主となるのは甲虫類に集中しており、1500種が甲虫を宿主とするものとなっている。その率は本群菌類の種数の約80%である。その中でもゴミムシ類を宿主とするものが多い。昆虫以外のものではクモ綱のザトウムシ、ヤスデ綱のスジムスジヤスデ目 Callipodida、ヒメヤスデ目 Julida、ネッタイタマヤスデ目 Sphaerotheriida、ヒキツリヤスデ目 Spirostreptida の4目が知られている。 本群の個々の種についてみると、多少の宿主の幅を持つものもあるが、基本的にはその範囲は1つの種か、同一の属の中の近縁種に限られると考えられている。これを種特異性という。本群の寄生性に関して、もう2つの特異性が語られる。2番目は性特異性で、宿主の中でも雌のみに寄生が見られる、という例が知られる。3番目は部位特異性で、宿主の体の決まった部分にのみ寄生が見られる、というものである。これらの原因については諸説あって判明していない部分が多いが、利用する栄養の違い、宿主の表面の構造、生殖行動などが関わるとみられる。最後のものは個体間の接触による伝搬を原因と考えるものである。例えば Stigmatomyces という菌はハエ類に寄生するが、宿主が雄の場合には脚と前胸の腹部側に、雌の場合には胸部と腹部の背面に寄生が見られ、これは雌雄が交尾する際の接触面に寄生が見られる、つまり交尾の際に接触することで感染が起きると見ることが出来る。ただしこれらの同一種の宿主の中で見られる特異性については栄養などの状態が異なることによる成長の差異による勘違いではないか、との説もある。 希な例であるが、本群の菌1種が分類上かけ離れた宿主を持つ場合がある。グンタイアリとして知られる Eciton に寄生する Laboulbenia ecitonis が、このアリの巣内に寄食しているダニや甲虫にも寄生していることが知られている。 昆虫の側からは、同一の種に複数の本群の菌が感染することはもちろん、単一の個体に複数種が感染する事例も知られており、アフリカミズスマシ Orectogyrus specularis の1個体に本群の菌が16種発見されたという例まである。
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宿主の範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 04:05 UTC 版)
宿主になるのは淡水性の菌類的生物、いわゆる鞭毛菌であるが、これはかつては単一の分類群とされた。しかし今では多系統、それも界レベルを超えた多系統群と見なされている。本属の宿主となるのはこのうちの真菌類のツボカビ門とコウマクノウキン門のものと、ストラメノパイルに属する卵菌類という、生態的に共通点が多くとも系統的には大きく異なった群にまたがっている。
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