宿主と病徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/09 13:23 UTC 版)
「キャッサバモザイク病」の記事における「宿主と病徴」の解説
キャッサバは南アメリカ原産で、比較的近年になってからアフリカにもたらされた。キャッサバは非常に乾燥耐性の高い作物であり、やせた土壌でも生産が可能である。アフリカでの生育は当初は補助的なものであったが、現在ではアフリカ大陸における最も重要な主食作物の1つとして認識されている。その生産は次第に量産型システムへ移行しており、デンプン、キャッサバ粉、動物飼料などのさまざまな製品に利用されている。 キャッサバは栄養繁殖を行うため、ウイルスに対して特に脆弱であり、キャッサバモザイクジェミニウイルスによって毎年大きな経済的損失が発生している。これらのウイルスが宿主となる植物に感染すると、植物の防御システムが発動する。植物はウイルスの増幅を抑えるために遺伝子サイレンシングを利用するが、ベゴモウイルスは宿主の自然防御機構に対抗するためのサプレッサータンパク質を進化させている。異なるベゴモウイルスの種は異なるバリエーションのサプレッサータンパク質を産生するため、一般的には複数種の共感染によってより重度の症状が引き起こされる。 キャッサバモザイクジェミニウイルスがキャッサバに感染すると、植物全体に病徴が発現する。病徴には葉のモザイク状の白化、葉の変形、生育の阻害が含まれる。感染は、特に病徴が急速に発生した場合には、克服することが可能であるが、緩やかな病徴の発生は多くの場合、植物の枯死と関係している。 キャッサバに感染するジェミニウイルスによる経済的損害は大部分がキャッサバによるものであるが、これらのウイルスは他の植物に感染することもできる。宿主の範囲はウイルス種に依存するが、大部分の種はタバコ属やチョウセンアサガオ属の植物にも伝染して病気を引き起こすことができる。 キャッサバモザイク病は現在東南アジアで拡散している。
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