宿主の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 23:32 UTC 版)
この属の宿主に関しては、幾つかの問題が指摘される。そもそも第1の種であるゾウハジラミがアジアとアフリカの両種を宿主とする分布が不思議である。当初の発見が動物園であったことから動物園における二次感染の可能性を指摘する向きもあったようだ。両方のゾウにおける個体群に区別が見られないことから、片方が本来の宿主であり、近年に他方に感染した可能性も指摘される。アジアでもアフリカでも本種の分布は広く、近年に一方から他方に感染した可能性は低い。 本属の昆虫が他のシラミやハジラミと全く異なる特徴を有することはゾウという孤立した群の上で進化したことを示すものだとの指摘もある。イボイノシシは普通のシラミ類を寄生虫として持っている。この様なことから、例えば本属はより広い宿主を持っていたのが、現在の二群以外の宿主が絶滅した、とかアジアゾウとアフリカゾウの共通祖先に本属が寄生し、それ以来形を変えず、アフリカで二次的にイボイノシシに宿主を広げた、等の幾つかの仮説を想起させる。
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