宿主の栄養組成の変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:43 UTC 版)
「植物内生真菌」の記事における「宿主の栄養組成の変更」の解説
植物と内生生物との共生は本質的に栄養素の交換に基づく。このため、真菌との共生は植物の化学組成を直接変化させ、その植物を摂食した草食動物に相応の影響を与える。内生菌は宿主のアポプラストの炭水化物濃度を頻繁に増加させ、窒素濃度を相対的に減少させる(葉のC/N比を大きくする)。これにより、草食動物にとって、宿主の葉をタンパク質の補給減として非効率にさせる。内生菌が宿主の窒素を利用してアルカノイド類などの二次代謝産物を合成する場合には、C/N比の増大はいっそう顕著になる。例えば、寄生虫thistle gall fly (Urophora cardui) は、内生真菌と共生する植物では生育が抑制される。内生真菌が宿主の窒素含量を減らすためである。さらに、内生菌は植物によるリン酸や鉄などの栄養素の利用度を高め、宿主の生育、健康、および防御能力を向上させる。
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