安樂庵策傳とは? わかりやすく解説

あんらくあん‐さくでん【安楽庵策伝】

読み方:あんらくあんさくでん

[1554〜1642]江戸初期説教僧茶人笑話作者美濃の人。京都誓願寺住職、のち塔頭(たっちゅう)竹林院隠居し茶室安楽庵を結ぶ。落語の祖ともいわれる。著「醒睡笑(せいすいしょう)」など。


安楽庵策伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/15 03:15 UTC 版)

安楽庵 策伝(あんらくあん さくでん、天文23年(1554年) - 寛永19年1月8日1642年2月7日))は、戦国時代から江戸時代前期にかけての浄土宗西山深草派。美濃国出身[1]誓願寺第55世法主[1]。安楽庵流(織部流の分派)茶道の祖。金森定近の子といわれる。明治38年(1905年)、関根黙庵『江戸の落語』で言及されてから「落語の祖」とされる[2]。策伝は道号。は日快[3]、号は醒翁、俗名は平林平太夫。

生涯

天文23年(1554年)、誕生。美濃国武将・金森定近の子といわれ、兄に金森長近などがいる。

幼いときに美濃国浄音寺出家し、策堂文叔に師事した。その後、京都禅林寺(永観堂)に転じ智空甫叔に学んだ。天正年間(1573年-1592年)、中国地方に赴き備前国大雲寺などを創建したと伝えられる。慶長元年(1596年)、美濃浄音寺に戻り25世住持となる。慶長18年(1613年)に京都誓願寺55世(浄土宗西山深草派法主)となり、貴顕と交友を広げた。元和9年(1623年)、紫衣の勅許を得た後、塔頭竹林院に隠居し余生を送った。同所には茶室「安楽庵」(古田織部好み三畳台目茶室)を作っている。寛永19年(1642年)、死去。墓所は京都誓願寺[1]

笑い話が得意で説教にも笑いを取り入れていたが、京都所司代板倉重宗の依頼で『醒睡笑』を著し、笑話集のさきがけとなった[4]

策伝は天下一茶人・古田織部の高弟で、織部は策伝の甥・金森可重と特に親しかった。策伝は「安楽庵裂」という茶の湯の裂地を残している。

収集あるいは見聞した椿に付いての記録『百椿集』(1630年、寛永7年)を残している。策伝作の狂歌俳諧も残る。

親王五摂家武士文人の間に広く交流を持ち、特に松永貞徳小堀遠州との交流が深かった。

豊臣秀吉に仕えた御伽衆曽呂利新左衛門と同一人物説もある。

誓願寺

備考

  • 出自を金森氏とするのは、浄音寺過去帳や濃州立政寺歴代記の記録による。しかしながら、策伝の俗姓を「平林」とすること、金森氏の仏教宗派は曹洞宗であること、以上2点は策伝が金森氏出身であることに疑問を残す部分である。
  • 淨音寺のある岐阜県岐阜市三輪宮西[5]では、策伝の命日である1月8日に「安楽庵策伝顕彰落語会」が行われている。
  • 策伝の出身地である岐阜市では「笑いと感動のまちづくり事業」の一環として「全日本学生落語選手権大会・策伝大賞」を毎年2月に行っている。

脚注

  1. ^ a b c 安楽庵策伝 京都観光Navi(京都市観光協会)、2021年3月9日閲覧。
  2. ^ 中川桂 『江戸時代落語家列伝』新典社、2014年6月、14頁。 
  3. ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 73頁。
  4. ^ 『江戸時代人物控1000』山本博文監修、小学館、2007年、22頁。ISBN 978-4-09-626607-6 
  5. ^ 岐阜市

参考文献

外部リンク




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