千道安とは? わかりやすく解説

せん‐どうあん〔‐ダウアン〕【千道安】

読み方:せんどうあん

[1546〜1607]桃山時代匠。初名は紹安。号は可休斎。利休長男利休とともに豊臣秀吉仕えたが、利休死後、弟少庵その後継ぎ不遇に終わったという。茶室道具茶事などに独自の工夫凝らしたといわれ、道安囲い道安風炉などにその名が残る。


千道安

読み方せん どうあん

安土桃山江戸前期茶人千利休長男。初名は紹安、のちに道安。号に可休斎・一咄家斎等。利休自刃後京を離れたが、その行方飛騨阿波などの諸説がある。義弟千少庵千家再興許されてから豊前国小倉藩細川三斎招致され、禄高三百石を扶持された。その風は少庵の柔(静)に対し剛(動)といわれ、道安囲などすぐれた創意を今に伝える。慶長12年(1607)歿、62才。

千道安

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/15 00:57 UTC 版)

千 道安(せん の どうあん、天文15年(1546年) - 慶長12年2月17日1607年3月14日))は戦国時代から江戸時代初期の茶人。始め紹安。後に道安。号は、可休斎、不休斎、眠翁、泉南道安老人など。堺千家の主。

略歴

天文15年(1546年)、千宗易(千利休)の長男として生まれる。母は宝心妙樹。千家の嫡男だが宝心が没し利休が再婚すると、以後は利休と折り合いが悪くなり若い頃に家を出た。のちに利休と和解するも、利休の再婚相手の連れ子で同い年である千少庵との折り合いは悪く、終生茶会に両者が同席することはなかった。

茶の道を修め豊臣秀吉の茶頭八人衆に数えられるまでになった。利休切腹後は飛騨高山藩金森長近に預けられ(異説あり)、蟄居、謹慎を命じられた。長近が茶人であったことから、親交を深めたとみられている。

文禄3年(1594年)に赦されてに戻り(時期には諸説ある)、千家の家督を継いだ(堺千家)。その際に少庵の息子である千宗旦により千家再興が達せられる。秀吉没後は慶長6年(1601年)、細川三斎に招かれ、茶頭となり、豊前水崎で三百石を拝領する。

慶長12年(1607年)、豊前の地にて死去(異説あり)。大宰府の崇福寺に葬られた。現在の墓所は大阪府堺市南宗寺徳島県徳島市本覚寺

人物評

道安はしばしば義弟である千少庵との対比で語られることが多い。中には少庵を道安より優れていたように描く逸話もあるが、これは現存しているのが少庵系統の三千家周辺のものである事実を考慮する必要がある。そうした資料の中でも道安についての賞賛が散見されるところから、当時際だった才能を発揮していたことが伺われる。少庵は先天的に足に不自由があったが、これが三千家系統の資料では道安に置き換えるなどの事実関係の齟齬も確認されている。

  • 利休が二人に竹の蓋置を選ばせたところ、道安は節のついたゴツゴツとした蓋置を、少庵は節のない滑らかな蓋置を選んだというエピソードがあり、道安は磊落な性格、少庵は繊細な性格であったとされている(『江岑夏書』)。
  • 秀吉が利休に「大仏(方広寺京の大仏)の内陣を囲いて茶の湯すべき者は誰ぞ」と尋ねたところ、「道安が仕るべき」と道安を推挙したとの逸話が残されている(『茶話指月集』)。
  • 道安の茶会に招かれた利休が亭主を待つ間「露地の飛び石の据え方がひとつだけ高い」と話したところ、勝手で聴いていた道安は中立ちの間に的確に直したという(前掲書)。
  • 少庵が千家を再興した後、秀吉に呼ばれた道安が御前で茶を点てたところ、秀吉は「宗易(利休)が手前によく似たる」と褒めた(前掲書)。

茶人としての事績及び評価

繊細な少庵の茶を静とするならば、道安の茶は動であると言う評がある。創作意欲が旺盛であり、その工夫は簡素さの中に力強さを求めるものであったようである。

  • 道安が金属片を使って灰をならしていたのが、金属製の灰匙の始まりだと言われている。金属製の灰匙は当初利休から「飯杓子」と嘲笑されたが、のちに利休も用いるようになったという。
  • 塗り蓋を拭いてから茶巾をおく手前は、道安が始めた物と言われている。
  • 道安囲、道安風炉の考案。

代表的な弟子

千道安が登場する作品




千道安と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「千道安」の関連用語

千道安のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



千道安のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
株式会社思文閣株式会社思文閣
Copyright(c)2025 SHIBUNKAKU Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの千道安 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS