学校裏サイトとは? わかりやすく解説

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がっこう‐うらサイト〔ガクカウ‐〕【学校裏サイト】

読み方:がっこううらさいと

裏サイトのうち、学校に関する情報交換のために開設されたもの。多くは、学生・生徒学校承認得ず自主的に開設し試験などの情報交換うわさ話をする掲示板主な内容また、携帯電話から、特定のメンバーのみが閲覧可能なものも多い。

[補説] 特定の生徒への悪口や、いじめの場面収めた写真掲示などで、不登校者や自殺者が出るなど、平成19年2007)ごろから社会問題となっている。


学校裏サイト

読み方がっこううらサイト

学校裏サイトとは、ある学校に関する情報を交わすために、その学校公式サイトとは無関係に立ち上げられた、電子掲示板掲示板内のスレッドWebサイトなどのことである。

学校裏サイトは、一般的には中学校高校生徒自分学校について情報交換をしたり噂話をしたりするための場として利用されている。投稿匿名であるが、特定の学校に関する話題対象であるため、実際話題対象となっている物事人物場合によっては投稿者についても、容易に判別できる場合が多いといわれている。

2007年半ば頃より、学校裏サイトは、個人名指しした中傷や、無根拠の噂、個人情報の暴露、いじめを促すような個人攻撃、といった悪質行為温床になっているとして問題視されるようになった。学校裏サイトが起因となったではないかと見られる自殺事件発生している。

しかし、ある見解では、学校裏サイトが公衆良俗反するとしても、それは電子掲示板をはじめとしたインターネット上コミュニティにおいて必ずしも特異なことではないといわれている。また、学校に関する非公式サイトであるとはいえ公平な情報交換の場として運営されているWebサイトもあり、いわゆる「学校裏サイト」と呼ばれるWebサイト一概に悪質であると判断することもできないという声もある。

2008年5月現在、文部科学省が学校裏サイトに関する詳細な実態調査数度にわたり実施するなど、各所で学校裏サイトに関する議論活発になされている。


参照リンク
青少年が利用する学校非公式サイト(匿名掲示板)等に関する調査について - (文部科学省
学校裏サイト対策について - (PDF形式
WWWのほかの用語一覧
Webサイト:  ポータルサイト  プロフ  顔文字  学校裏サイト  検索サイト  ゲスブ  公式サイト

学校裏サイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 07:59 UTC 版)

学校裏サイト(がっこううらサイト)とは、ある特定の学校の話題を扱う非公式のコミュニティサイトである。学校非公式サイト[1]ともいう。

概要

2000年代から日本における携帯電話フィーチャーホン)が早々とネット接続に対応していたこと、そしてそれが未成年にも普及したことで発生した事象である。

ほとんどが部外者が入れないようパスワードを設定されていたり、学校名で検索してもヒットしないようになっており、そのため検索などで探し出すのは容易ではない。PCからのアクセスを拒否するものもあった。

2008年3月に文部科学省が発表した「青少年が利用する学校非公式サイトに関する調査報告書」では38260サイトが確認されたとしている。ただし、この報告書においては、2ちゃんねるミルクカフェYahoo!掲示板などのいわゆる巨大掲示板の中のスレッドも1つとして数えているため、これらを除外すると4733サイトとなる。

情報社会論を専門とする下田博次群馬大学大学院社会情報学部教授は、こうした匿名掲示板を2004年頃から追跡を始めている。裏サイトがいつ頃広まったかは不明だが、2002年頃には既に存在していたとされる。『NEWS23』の取材スタッフが下田の研究室を訪れた際、裏サイトの調査資料を偶然目にした事がきっかけで、この時点ではさほど注目されなかったが、同年12月にFM群馬が、裏サイトをメインに据えた内容の番組を放送。年明けから各メディアで特集が組まれるようになるなど社会問題として注目され始める。2007年9月に神戸市須磨区滝川高校いじめ自殺事件で、裏サイトに被害者の男子生徒に対して、誹謗中傷や脅迫紛いの文章を書き込んでいた事がセンセーショナルに取り上げられ、以後いじめ関連の報道の中で頻繁に取り上げられるようになり、2007年 - 2008年に放送されたテレビドラマ3年B組金八先生』の第8シリーズで題材のひとつとして選ばれたことから一般への知名度があがった[2]

共同通信の報道によると、この事件の際には書き込んだ内容が名誉棄損的な内容ではなく、侮辱的書き込みであったために、書き込んだ者のみが処罰され、管理人側には幇助罪が適用されることはなく嫌疑不十分で不起訴処分となっている。これは、法定刑拘留または科料のみの罪については、刑法64条により教唆、幇助が犯罪とならないところ、侮辱罪の法定刑は拘留または科料のみだからである(2022年6月13日に侮辱罪を厳罰化する刑法改正案が成立し、2022年7月7日に施行日以降は侮辱幇助罪を処罰することが可能となった)。一方、民事では2008年5月に、管理人の責任を認めて55万円の損害賠償の支払いを命じる判決が出されている[3]

スマートフォン時代になるとこうした裏サイトの役割はSNSに移転されるようになり、「LINEいじめ」やtwitterでの鍵アカウントの悪用が問題になった[4]

問題点

こうした匿名掲示板には、実名を挙げての誹謗中傷や猥褻画像が大量に書き込まれているとされる。このうち、誹謗中傷については、神戸での事件でも問題になったように、在校生などが標的になる他、東京都児童相談センター児童心理司・山脇由貴子の『教室の悪魔:見えない「いじめ」を解決するために』では、在校生の保護者に関するデマがサイト内で流されて、最終的に被害者が転校を余儀無くされるという事例も紹介されている。

またイニシャル伏字などでの誹謗・中傷が行われることもあるため、特定の個人ではなく該当のイニシャルを持つ全員が被害に遭う可能性もある。

2008年に横浜市が行った調査では、市内にある145の中学校のうち68の中学校で学校裏サイトへの削除依頼を行ったことがあるとされるが、この際、削除依頼を担当した教職員も誹謗中傷の標的となるケースが少なくないという[5][6]

対策

2007年12月13日、PC版の学校裏サイトの一覧表を掲載したサイトが閉鎖したため、一覧サイトへのアクセスが一時的に不可となっていた。その後、2008年5月29日サイブリッジが、学校裏サイトの検索ができる「学校裏サイトチェッカー」のサービス提供を開始。裏サイトを発見した人が登録申請するナレッジ共有型のデータや、社内外の有志で組織された「チェッカーズ」と呼ばれるボランティアスタッフと協力しながら学校裏サイトの収集にあたっていた[7] [8] [9]

脚注

参考文献

  • 山脇由貴子『教室の悪魔:見えない「いじめ」を解決するために』(ポプラ社、2006年)

関連項目

事件
作品
  • 2000年のゲームキッズ - 生徒達が運営した「スクールサイト」による教師への攻撃がテーマとなった作品を収録。本著は「学校裏サイト」の一般化以前に執筆された。
  • 3年B組金八先生第8シリーズ - メインテーマの一つとして取り上げられた。
  • 相棒Season7 - 第18話にて、学校裏サイトが事件のテーマとして取り上げられている。
  • 怨み屋本舗 REBOOT - ドラマ第1話・第2話にて、学校裏サイトが事件に関わっている。
  • 35歳の高校生 - 第3話以降、学校裏サイトが登場している。

外部リンク




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