奥平康弘とは? わかりやすく解説

おくだいら‐やすひろ〔おくだひら‐〕【奥平康弘】

読み方:おくだいらやすひろ

[1929〜2015憲法学者。北海道生まれ表現の自由について研究日本国憲法について護憲立場取った。著「表現の自由求めて」「いかそう日本国憲法」など。


奥平康弘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/28 05:46 UTC 版)

おくだいら やすひろ

奥平 康弘
生誕 (1929-05-19) 1929年5月19日
日本 北海道函館市
死没 (2015-01-26) 2015年1月26日(85歳没)
日本 東京都
出身校 東京大学
職業 法学者
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奥平 康弘(おくだいら やすひろ、1929年昭和4年)5月19日 - 2015年平成27年)1月26日)は、日本法学者憲法表現の自由及びアメリカ合衆国憲法〉)。エッセイスト東京大学名誉教授[1]

人物

北海道函館市生まれ。鵜飼信成宮澤俊義の弟子。法学界・法曹界に止まらず、広く影響力を有する法学者だった。九条の会の呼びかけ人の一人で、エッセイも多数執筆。日本ビデオ倫理協会評議員、自由人権協会評議員も務めた。

学者」という呼称を敬遠し、大学を離れて以降、「憲法研究者」という肩書きを名乗ることが多かった。

奈良県医師宅放火殺人の供述調書漏洩事件をうけて講談社2007年[2]に設置した第三者委員会である『僕はパパを殺すことに決めた』調査委員会の委員長を務めた[3]

ヘイトスピーチ問題について、「処罰ではなく文化力の形成を」と処罰規定に反対姿勢を示していた[4]

2015年1月26日、急性心筋梗塞のため東京都内の自宅で死去した[1][5]。85歳没。

学歴

職歴

親族

  • 妻:1930年生まれ。女子美術大学卒業。
  • 長男:1958年生まれ。
  • 長女:1961年生まれ。クラーク大学卒業。
  • 弟:奥平忠志 地理学者。

著書

単著

  • 『表現の自由とはなにか』(中公新書、1970年)
  • 『治安維持法小史』(筑摩書房、1977年/岩波現代文庫、2006年)
  • 『知る権利』(岩波書店、1979年)
  • 『同時代への発言―一憲法学徒として』(東京大学出版会、1979年)
  • 『憲法―学習と実践のために』(弘文堂、1981年)
  • 『現代の視点―反・大勢からの発想 1978-1980』(日本評論社、1982年)
  • 『表現の自由(1)理論と歴史』(有斐閣、1983年)
  • 『表現の自由(2)現代における展開』(有斐閣、1984年)OD版・2008年 ISBN 9784641905764
  • 『表現の自由(3)政治的自由』(有斐閣、1984年)OD版・2008年 ISBN 9784641905771
  • 『日本国憲法 理解と実践のために』高校生のための現代社会 東研出版 1984
  • 『日本人の憲法感覚』(筑摩書房、1985年)
  • 『ヒラヒラ文化批判』(有斐閣、1986年)
  • 『なぜ「表現の自由」か』(東京大学出版会、1988年)
  • 『憲法にこだわる』(日本評論社、1988年)
  • 『憲法3 憲法が保障する権利』(有斐閣、1993年)OD版・2005年 ISBN 9784641905085
  • 『いかそう日本国憲法―第九条を中心に』(岩波ジュニア新書、1994年)
  • 『憲法裁判の可能性』(岩波書店、1995年)
  • 『法ってなんだ』大蔵省印刷局、1995年 
  • 『これが破防法』(花伝社・共栄書房、1996年)
  • 『ジャーナリズムと法』(新世社、1997年)
  • 『憲法の眼』(悠々社、1998年)
  • 『「表現の自由」を求めて―アメリカにおける権利獲得の軌跡』(岩波書店、1999年)
  • 『憲法の想像力』(日本評論社、2003年)ISBN 9784535511255
  • 『最近の憲法をめぐる諸問題について ― 奥平康弘教授講演録』(自由人権協会、2004年)ISBN 9784915723254
  • 『「萬世一系」の研究―「皇室典範的なるもの」への視座』(岩波書店、2005年/岩波現代文庫(上下)、2017年) ISBN 9784006003593&ISBN 9784006003609
  • 『憲法を生きる』(日本評論社、2007年)ISBN 9784535515635

共著

編著

  • 『自由権―思想・表現の自由』(三省堂、1977年)
  • 『青少年保護条例 公安条例』(学陽書房、1981年)ISBN 9784313220072
  • 『現代憲法の諸相 高柳信一先生古稀記念論集』(専修大学出版局、1992年)
  • 『破防法でなにが悪い!? 自由を守るための多角的視点』(日本評論社、1996年)

共編著

  • (石村善治)『知る権利―マスコミと法』(有斐閣、1974年)
  • (杉原泰雄)『憲法を学ぶ―いまなぜ憲法を学ぶか』(有斐閣, 1974年/新版、1985年/第3版、1996年/第4版、2001年)ISBN 9784641280502
  • 川添利幸・丸山健)『テキストブック憲法』(有斐閣、1977年)
  • 芦部信喜橋本公亘)『アメリカ憲法の現代的展開(1)人権』(東京大学出版会、1978年)
  • 福田平水本浩)『講義法学』(青林書院新社、1984年)

訳書

刊行史料

  • 『昭和思想統制史資料』全23巻(生活社、1980年 - 1981年)

論文

脚注

  1. ^ a b “奥平康弘氏が死去 東大名誉教授、「九条の会」立ち上げ”. 日本経済新聞. (2015年1月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H81_Q5A130C1CZ8000/ 2020年1月26日閲覧。 
  2. ^ 『僕はパパを殺すことに決めた』について - 講談社
  3. ^ 講談社から皆様へ 『僕はパパを殺すことに決めた』調査委員会の設立について
  4. ^ 奥平康弘「法規制はできるだけ慎重に むしろ市民の文化力で対抗すべきだろう」『ジャーナリズム』(282号2013年)
  5. ^ 奥平康弘・東大名誉教授が死去 「九条の会」呼びかけ人 朝日新聞 2015年1月30日

関連項目

外部リンク


先代
針生誠吉
全国憲法研究会事務局責任者/事務局長
1967年 - 1970年
次代
高柳信一
先代
池田政章
全国憲法研究会代表
1985年 - 1987年
次代
杉原泰雄



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