太祖の死についての記載・伝承とは? わかりやすく解説

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太祖の死についての記載・伝承

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 06:08 UTC 版)

千載不決の議」の記事における「太祖の死についての記載・伝承」の解説

太祖死因について、『宋史』(元代編まれ正史)では言及されておらず、「太祖紀」ではただ一行崩御事実記されているだけである。私撰史書筆記同時代または少し後の人物の手になる)は一人一様記述見せるが、その多く晦渋難解である。 巷間ではさまざまな伝説生まれたが、僧文瑩の『湘山野録』が伝える「斧声燭影」は、最も広く流布し奇妙な説である。 夜に太祖晋王呼び側近遠ざけ二人して歳殿で飲み合った夜中近く揺れ蝋燭の影の下で退避しようとする晋王の姿が格子窓に移るのを側近認め、そして斧でをたたく声や、太祖の「好做、好做」(「よくやってくれよ」というほどの意味)と叫ぶ声も聞こえたその後太祖のいびきが聞こえるだけとなり、やがて夜明け近くになって晋王出て来て、太祖崩御を皆に告げたという。 荒唐無稽といえばそれまでだが、太祖の死の現場唯一人太宗がいたという点で、太祖死因について隠蔽しようとしながらある程度真実伝えているともいえる。 宮崎市定など一部研究者からは、生前太祖陳橋の変時に見られるように非常な大酒飲みであったとする記録などから、脳溢血などの疾患による急死だったのではないか指摘する声もある。脳溢血により急死したとすれば、それを示す状況としてはむしろリアリティ感じさせる。 『資治通鑑』の編纂でも有名な政治家司馬光はその『涑水紀聞』でこう伝える。 太祖夜半過ぎ四更ごろに崩御し、その妻の宋皇后宦官王継恩遣わし秦王趙徳芳参入させ皇位継承させようとした。ところが王継恩何を思った晋王の邸に行き、ためらう晋王追い立てて参内させた。わが子(実際継子)を待っていた皇后は、義弟晋王の姿を見るなり仰天し号泣して「吾等母子の命はひとえに貴方お一人の手かかっている」と言ったところ、晋王泣いては「共に富貴保とう憂慮無きよう」と慰め太祖前において即位した太宗の子孫が皇位占め時代で、司馬光太宗行為努めて弁護しているが、それでも非常に疑わしいことを宋皇后言葉伝えている。実際後日宋皇后亡くなった時、先帝皇后という身位相応し葬儀行われず、『宋史』「太宗紀」の詰る四箇条の一つとなっている。 宋の皇位太宗以後北宋の滅亡まで太宗の子孫が継いだ靖康の変の後、高宗建康現在の南京)に入って南宋建てたが、金兵によって皇統に近い皇族高宗除いて一人残らず北方連れ去られていた。高宗はただ一人男子趙旉幼くして喪い、そのまま他に男子を得なかったため、太祖の子孫である孝宗皇嗣とした。これに関して次の伝説がある。 ある夜、高宗皇后呉氏ともいう)の夢枕太祖が立ち、「斧声燭影当夜歳殿の情景まざまざと見せ太宗の子孫の絶えることを天意帰した。目が覚めた高宗先祖の罪の贖い悟り命じて太祖の裔である子供のうちの聡明方正な者を求め、その中から孝宗選んで皇嗣としたという。 夢告げの真偽はともかく、孝宗以後南宋滅亡にいたるまで皇統太祖の裔であり続けた(ただし孝宗系統寧宗断絶している)ことは史実である。

※この「太祖の死についての記載・伝承」の解説は、「千載不決の議」の解説の一部です。
「太祖の死についての記載・伝承」を含む「千載不決の議」の記事については、「千載不決の議」の概要を参照ください。

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