天文三部作により再出発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:05 UTC 版)
「ユリスナルダン」の記事における「天文三部作により再出発」の解説
1983年に投資家のロルフ・W・シュナイダー(Rolf W. Schnyder、1935年-2011年)に買収され、ルートヴィヒ・エクスリン博士(Dr. Ludwig Oechslin 、1952年-)によるいわゆる「天文三部作」により高級複雑時計メーカーとして復活を遂げた。シュナイダーはユリスナルダンの買収を検討しつつも並みの時計を作っていたのでは再建は覚束ないと思っていた頃にスキーリゾートでアストロラーベに接し、その復元者であるエクスリン博士と知り合ったという。 アストロラビウム・ガリレオガリレイ 1983年に試作され、1985年のバーゼルフェアにて発表された。名称はアストロラーベとガリレオ・ガリレイにちなんでいる。 文字盤は天球を模しており、太陽の位置、月の位置、ムーンフェイズ、日食と月食、主な星が見えているかを表示する他、月と曜日を表示する。144,000年分の天文情報がプログラムされている。 1989年に「世界一複雑な腕時計」としてギネスブック表紙に掲載された。 プラネタリウム・コペルニクス 1988年発売された。名称はプラネタリウムとニコラウス・コペルニクスにちなんでいる。 文字盤は太陽系を模しており、文字盤中央を太陽、文字盤中央より少し下を地球に見立てている。 太陽の廻りを水星、金星、火星、木星、土星、黄道12宮ディスクが回っている。 水星ディスクと金星ディスクは反時計回り、それ以外のディスクは時計回りに回転する。木星と土星は実際にはかなり外側を回っているため他の惑星ディスクと比較し木星1/3、土星1/5で表示されている。 サファイアガラスに描かれたクモの巣状の線は30°ごとに引かれている。外側で折れ曲がっているのは前述木星と土星の縮尺を補正するためである。 黄道12宮ディスクには月週も表示され、365日5時間48分46秒で時計回りに一周する。12時位置にその日太陽がいる星座と月・週を示す。 地球の周りを月が回ることでムーンフェイズを表示している。 ベゼルにはアワーマーカーが刻まれており、普通の二針時計の方式で時分表示がされている。 裏蓋はサファイアガラスによるシースルーバックと通常の金無垢モデルが選択できた。自動巻。当時8,000,000円で販売された。 惑星ディスクは通常青い合金製であるが、1897年グリーンランドで発見された隕石をレーザーカットして使用した製品が65個限定22,000,000円で販売された。このタイプの裏蓋はサファイアガラスによるシースルーバックのみ。 テリリウム・ヨハネスケプラー 1992年発売された。名称はラテン語で地球を意味する"Tellus"とヨハネス・ケプラーにちなんでいる。 文字盤中央には七宝で北極を中心とした地球が描かれたディスクが回っており、湾曲した針金がどの地域が昼でどの地域が夜かを示す。 月は地球と反対廻りに回り、位置とムーンフェイズを示す。 龍の形状をした針は日食と月食を表示している。 当時11,500,000円で販売された。 エクスリンはラ・ショー・ド・フォンの国際時計博物館館長(2011年~2014年)に就任したのに伴いユリスナルダンを去ったが、2006年に設立したOchs und juniorにおいてユリスナルダンのムーブメントを使用、ユリスナルダンの天文時計のムーブメント開発を手掛けるなど、協力関係は現在も続いている。
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