大雨特別警報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 23:49 UTC 版)
大雨については留意点がいくつかあり、まず1つは、狭い範囲で起こった場合は、数十年に一度の大雨であっても特別警報が発表されない場合がある。2つ目に、記録的であっても1時間程度で収まるごく短時間の大雨に対しては、特別警報は原則として発表されない。 2013年10月15日から16日にかけて東日本に接近した台風26号では、東京都大島町(伊豆大島)において記録的な豪雨により大規模な土石流が発生し、甚大な人的・物的被害が発生した。伊豆大島では、15日17時38分に大雨洪水警報が発表され、16日3時58分までの1時間で122.5ミリ、8時20分までの24時間で824ミリという観測史上1位の降水量を記録したが、特別警報は発表されなかった。気象庁は発表しなかった理由として、特別警報は都道府県程度の広がりを持つ現象に対応するものであり、伊豆大島では雨量の基準は満たしたものの、伊豆諸島の他の島や東京都内では基準となる雨量に達した地点が少なく、「府県程度での広がり」の基準を満たさなかったためと説明した。これについて安倍内閣の菅義偉内閣官房長官が「規定はあるとしても誰が見ても出してもおかしくなかった」と述べて発表基準の見直しに言及する動きなどがあった。結果として基準は変更されていないが、基準変更の代替として、離島などでの大雨の際には、各都道府県の気象台から各市町村へのホットラインを通じて緊急の連絡を行う措置を執っているほか、重大な災害の切迫を呼び掛ける「見出しのみの短文気象情報」の中で「○○市で50年に一度の大雨」というように重大性を周知する措置を執っている。 また、大雨は数時間以上継続するようなものを対象にしており、継続時間が1時間程度の「局地的大雨」は特別警報の発表には至らない。気象庁は基準制定時の意見聴取への回答において、1時間程度の局地的大雨に対しては観測時に発表される「記録的短時間大雨情報」などを参考にするよう回答している。
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大雨特別警報
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2019年10月11日、前項で挙げた伊豆大島の災害を踏まえ、新しい基準による大雨特別警報の発表基準が伊豆諸島北部にて先行実施された。改善後の基準は「過去の多大な被害をもたらした現象に相当する基準値を作成し、この基準値以上となる1km格子(メッシュ)がまとまって出現すると予測され、かつ、さらに雨が降り続くと予測される場合」に大雨の特別警報を発表する、というものである。これまでの50年に1度の降水量といった「雨量」から、過去の災害を基にした危険度分布という「指数」を定義に持ち込むことで災害との関連性・信頼性が向上するほか、気象庁の運用する危険度分布の格子が5kmから1kmに縮小されることで高解像度データとなるため、市町村単位・島嶼部単位での発表が可能になるという。今後は過去の大規模な大雨災害があった地域から優先的に改善基準に移行するという。 2020年8月24日からは、それまで大雨特別警報の発表基準に台風等の勢力予想に基づくもの(台風等を要因とする基準)と、解析雨量に基づくもの(雨を要因とする基準)の二種類があったものが、雨を要因とする基準に一元化され、台風等を要因とする基準では大雨特別警報を出さないこととなった。 2022年6月30日より、大雨特別警報(浸水害)について、より災害発生と結びつきが強い危険度分布の技術を用いて、警戒レベル5相当の状況により適合した形で発表を行えるよう基準の改善を行う。これにより対象地域の絞り込みや、島嶼部などのより狭い地域への発表も可能になり、情報の信頼度が高まるとしている。
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