大河ノベル
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大河ノベル(たいがノベル)とは、ある作家が一年間、12か月連続でシリーズ作品を刊行する企画である。12か月連続刊行という試みは日本文芸界、そして世界出版界でも史上初とされる。12か月連続刊行にあたって「書き溜め」を禁止していた。 2007年の清涼院流水・西尾維新、2008年の島田荘司、2009年の定金伸治と、3年間で計4人の作家がこの企画に参加した。ただし、当初の予定通り12か月連続刊行を成功させたのは、2007年の清涼院と西尾のみである。2008年の島田荘司作品は、第1部が2008年1月からの3か月連続刊行、第2部が2008年10月からの4か月連続刊行となり、2010年に第3部・第4部の刊行が予定されていた。2009年の定金伸治作品は、1月からの4か月連続刊行ののち、作者の体調不良を理由に刊行が中断した。 大河ノベル2007 清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world!』 西尾維新『刀語』清涼院流水は執筆ペースがギリギリだったため、最終巻に近づくにつれて「初校了」(通常2回行うチェックと修正を1回のみで終えること)などの出版の裏技が行われた。 シリーズ完結以降、清涼院流水は2008年の講談社文庫版『彩紋家事件III』刊行を最後に講談社での執筆が途絶え、西尾維新も太田克史が講談社BOXから離れた『ファウスト』Vol.8以降は執筆していない。 大河ノベル2008 島田荘司『Classical Fantasy Within』第1部が2008年1月から3か月連続刊行。第2部が2008年10月から4か月連続刊行。2009年末までに、計7巻が刊行されている。 2008年に12か月連続刊行が予定されていたが、その後「2008年1月 - 3月、2008年10月 - 2009年6月」と刊行予定が変更された。その後再度変更となり、2010年に第3部と第4部の刊行が予定されている。 当初は、奇数月・偶数月で2作品を各6巻とされていたが、刊行開始直前に偶数月刊行の作品(「進々堂世界一周」)を単独作品とし、奇数月予定だった作品を全12巻に変更することが発表された。 また、『進々堂世界一周』を『Classical Fantasy Within』の空白期間に充てることがパンドラvol.1 SIDE-B(袋綴じ)で発表された。 島田荘司、士郎正宗の他の仕事との折り合いの関係上、2008年1月〜3月に3巻まで刊行され、そこで一旦中断。2008年10月から4巻以降の刊行が再開され、2009年1月の第7巻までで再度中断、2009年9月より再開するという計画に変更になる事が発表された。 「進々堂世界一周」は、特別に2作品のみ『Anniversary50 カッパ・ノベルス創刊50周年記念作品』(光文社、2009年12月)、小説新潮9月号(新潮社、2010年9月)に先行掲載され、2011年4月に『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』(ISBN 978-4103252320)が新潮社より発売された。 島田荘司の公認サイトで、島田荘司の大河ノベル開始前の打ち合わせの様子などが分かる。 大河ノベル2009 定金伸治『四方世界の王』当初、2009年1月から12か月連続刊行予定だったが、著者の体調不良を理由に4月発売の4巻以降は刊行休止となった。 2010年6月、刊行再開された。大幅なボリュームアップに伴い、刊行ペースは不定期となり、刊行数は全12巻予定から全14巻予定へと変更となった。 2015年08月24日付の著者ブログでシリーズ打ち切りが発表され、講談社タイガ創刊に伴う講談社BOXの作家陣整理が公になった。また、担当引き継ぎも行われなかったことから、特典小冊子を個人配布した。
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