刊行内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 08:21 UTC 版)
小説作品は、当初は講談社の文芸誌『メフィスト』『ファウスト』『群像』などに掲載された作品を刊行していたが、創刊から1年半ほどしてから講談社BOX新人賞受賞者の作品の刊行を開始し、以来、多くの新人作家を輩出した。 また、創刊直後の2007年1月から、作家が12か月連続で単行本を刊行する「大河ノベル」の企画が実施され、2009年まで3年間続けられた。 講談社BOXからデビューした作家一覧 講談社BOX新人賞 大賞、Powers受賞者 鏡征爾、至道流星、杉山幌、ウノサワスバル、新沢克海、神世希、湊利記、森野樹、浅倉秋成、円山まどか、織守きょうや 講談社BOX新人賞 優秀賞、Talents受賞者 小柳粒男、泉和良(小説デビュー以前に、ゲームクリエーターとして活躍している)、黒乃翔、天原聖海、梓、岩城裕明、架神恭介(受賞以前から小説以外の書籍は刊行していた)、手代木正太郎 講談社BOX新人賞 あしたの賞受賞者 小仙波貴幸(あしたの賞受賞後、『パンドラ』の下剋上ボックスよりデビュー)、森川智喜(あしたの賞受賞後、『パンドラ』の下剋上ボックスよりデビュー) その他 針谷卓史(三田文学新人賞受賞後、講談社BOXより単行本デビュー)、円居挽(『パンドラ』の下剋上ボックスよりデビュー)、藍内友紀(「ササクラ」名義で第5回BOX-AiR新人賞よりデビュー) 漫画作品は1990年代にヤングマガジン系などで一度発売された作品の復刊がほとんどだが、まだ別レーベルで手に入るものを刊行していたケースもあり、海外のウェブコミックを単行本化した『メガトーキョー』などもあった。後年、『パンドラ』や『ファウスト』に掲載された新作漫画は、KCデラックス(講談社の漫画レーベル)として刊行されている。 批評・ノンフィクションでは、東浩紀や渡辺浩弐の著作が刊行されていた。批評・ノンフィクションは、新書がサラリーマン世代の読み物となってしまっている現状では、10代や20代に届くはずの批評も届いていない現状を変えたいという考えで出版されていた。初代部長の太田克史は「『搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!』(阿部真大、集英社新書、2006年)は新書で販売されているから若者に届かないだけで、これが講談社BOXだったら届く」と、講談社BOXが批評を出版する意味を語っていた。 取り扱う作品の作風は、漫画作品も含めて「思春期の自意識」をテーマにした作品が多かったが、雑誌『パンドラ』のキャッチコピーだった「思春期の自意識を生きるシンフォニー・マガジン」という言葉は、2009年4月発売のVol.3から「文芸と批評とコミックが「交差」(クロスオーバー)する講談社BOXマガジン」に変更されており、『パンドラ』Vol.3の編集後記では、今後の出版傾向の変更が示唆されたが、Vol.4を最後に刊行を休止した。
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