堤防の構造とは? わかりやすく解説

堤防の構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:27 UTC 版)

堤防」の記事における「堤防の構造」の解説

堤防から見て河川のある側を堤外(ていがい)といい、その反対側を堤内ていない)という。一般的な感覚とは内外逆に思えるが、人家のある土地堤防囲って護るという考え方から生まれた呼称である。 堤防平坦になった頂部天端(てんば)、もしくは馬踏(ばふみ)と呼ばれ3m上の計画高水流量により決められた幅にされている。この天端には河川管理のための人車通行可能な河川管理通路設けられ必要に応じて敷砂利やアスファルト舗装施されている。 堤防も場所によっては、一般車両通行可能な国道都道府県道等の一般道同等の「併用道路」とされているが、天端洪水時において水防活動実施する空間となるため、水防活動妨げガードレール街灯といった構造物可能な限り設置避けられるこのため一般道路は、天端区分して平行に設けたり斜面を1段下がった小段設けることで、水防活動一般交通路としての利用分離している区間も多い。 天端両端の法肩(のりかた)から下る斜面法面のりめん)といい、堤外側の法面を表法(おもてのり)、堤内側の法面を裏法(うらのり)という。法面勾配原則として50%以下と定められている。 通常法面には生やすことで表面崩落を防ぐが、水流強くなることが予想される箇所の表法面コンクリートブロックなどで護岸が行われる。 大きな堤防になると(高さ3m以上)、法面崩壊防ぎ安定を図るため、中腹水平な段が設けられる。これを小段といい、1.5m以上の幅で設けるよう定められている。ただし、小段が溜まることを嫌って最近は流下断面余裕がある場合小段設けず緩傾斜とした1枚法で改修される場合がある。また、堤防安定非常用土砂確保環境保全において必要のある場合には、裏法に盛り土を行うことがある。これを側帯という。側帯はときに頂部公園としたり、並木植えるなどして利用されることもある。 日本では堤防完成堤防暫定堤防、暫々定堤防とに区分している。 完成堤防の定義は「計画高水位に対して必要な高さと断面有し、さらに必要に応じ護岸のり覆工根固工等)等を施したものをいう」としている。暫定堤防計画高水位に対して必要な高さと断面(幅)を有し、さらに必要に応じ護岸等のうち、どれかは満たす状態の堤防で、暫々定堤防はそのどれも満たしていない堤防である。 前述断面とは一般に堤防断面呼ばれ、これは堤防水流行方ではなく横断面方向カットした際の形状断面である。 暫定堤防のうち、高さがあるが断面幅の狭い堤防のことをかみそり堤と呼んでいる。 特に隅田川設置されているコンクリートウォール製の高さがあるが断面幅の狭い鉛直防潮堤カミソリ堤防呼ばれるまた、計画高水位に対して必要な高さと断面有する堤防断面計画堤防断面としており、河川管理施設等構造令では河川規模流量規模に応じて堤防高ほかが規定されているため、これに基づいて河川計画堤防断面決定されている(形状規定方式)。 特殊堤・胸壁 堤防材料は土を基本とする。この場合、土は自立させるために断面底面の広い台形仕上げ必要があるが、都市部などで、通常の堤防作るだけの用地確保できない場合主要部分コンクリート鋼矢板などを用いた壁状の堤防造ることがある。これを特殊堤という。また、同様の理由堤防高が十分に取れない場合堤防上にコンクリートなどで壁を造り高さを補うことがある。この壁を胸壁という。 尚、同様の特殊堤として、河川構造物越流堤囲繞堤(いじょうてい)、背割堤及び道流堤がある。

※この「堤防の構造」の解説は、「堤防」の解説の一部です。
「堤防の構造」を含む「堤防」の記事については、「堤防」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「堤防の構造」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「堤防の構造」の関連用語

堤防の構造のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



堤防の構造のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの堤防 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS