執政官就任とヒスパニアでの戦争とは? わかりやすく解説

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執政官就任とヒスパニアでの戦争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 02:58 UTC 版)

クィントゥス・セルウィリウス・カエピオ (紀元前140年の執政官)」の記事における「執政官就任とヒスパニアでの戦争」の解説

執政官就任年と当時のウィッリウス法の規定から逆算して、クィントゥス・カエピオは遅くとも紀元前143年にはプラエトル法務官)に就任したはずである。しかし、それ以前経歴不明である。 紀元前140年には執政官就任するが、同僚プレブス平民執政官ガイウス・ラエリウス・サピエンスであったサピエンス若いころからスキピオ・アエミリアヌス友人で、当然にスキピオ・サークル」の一員であり、カエピオ兄弟達「反スキピオ派」とは敵対関係会った執政官の内一人ヒスパニア・ウルテリオルでのヴィリアトゥスの反乱鎮圧することとなっていた。同僚サピエンス法務官時代にこの戦争指揮した経験があったが、実際に派遣されることとなったのはカエピオであった。これは彼が属する反スキピオ派の影響力大きさ示していると思われる。カエピオは長兄クィントゥス・ファビウス・マクシムス・セルウィリアヌスから軍の指揮引き継ぐことになっていた。 ヒスパニアへの出発前に、カエピオは深刻な困難に遭遇した兵士募集がこの1年2回目となり、人員不足していたのである多くローマ市民断固としてヒスパニアに行くことを拒否しスキピオ・サークル支持得ていた。アッピウス・クラウディウス・プルケルが、1年間に2回の徴兵禁止する法律採択強行したのは、おそらくこれらの出来事あったかであろう護民官一人であるティベリウス・クラウディウス・アセッルスはカエピオに反対したが、反対演説中のアセッルスを、カエピオはリクトル警護兵)に命じて力づく排除したこのような出来事のため、カエピオのヒスパニア到着予定より大幅に遅れた。兄で前任者のセルウィリアヌスは、この間軍事行動続けたが、結果として敗北した。セルウィルアヌスはヴィリアトゥスと講和し、「ローマ友人であり同盟者である」と認めた。なお、時系列が逆との説もある。すなわち、兄が結んだ条約をカエピオが破棄しないように、元老院はカエピオをしばらくの間出発させなかったというものである実際にはカエピオは戦争の再開望んでいた。彼は兄が結んだ条約価値がないと宣言し元老院に再び戦闘開始する許可求めた最初は「必要と思われ秘密裏に行うのであれば、ヴィリアトゥスを悩ませること」のみが認められたが、その後もカエピオがローマ手紙送り続けたため、ついには元老院講和破棄することを決定した。クイントゥス・カエピオはヴィリアトゥスが見捨てたアルサの町を奪い、ヴィリアトゥス自身(ヴィリアトゥスは逃げ出し彼の行く手にあるものを全て破壊した)を追ってカルペルダニアまで侵攻した。これで紀元前140年作戦終了した。 カエピオはプロコンスル前執政官)として翌紀元前139年も、引き続き軍を指揮した今回ルシタニア同盟した部族攻撃した。ヴェットン人(現在のエストレマドゥーラ州居住していた部族)、さらにはガラエキ人(現在のガリシア州居住していた部族)の土地にまで達した。カエピオは自軍能力信用しておらず、ヴィリアトゥスと直接戦うことを避けた部下兵士も、その無礼さ残酷さ加わって、カエピオを嫌い、嘲笑対象とした。これに対する罰としてカエピオは、自軍騎兵に対して、敵が占領する丘から木を伐採してくるように命令した騎兵命令実行したが、野営地に戻るとカエピオのテント周り伐採した山積みにして燃やした。カエピオは逃げ出さざるを得なかった。

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