国立故宮博物院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/03 06:53 UTC 版)
National Palace Museum |
|
|---|---|
| |
|
|
|
| 施設情報 | |
| 正式名称 | 國立故宮博物院 |
| 愛称 | 台北故宮、台湾故宮 |
| 前身 | 国立北平故宮博物院 国立中央博物院 |
| 専門分野 | 中国と東洋の文化財 |
| 来館者数 | 6,142,892人(2016年) |
| 管理運営 | 行政院・国立故宮博物院 |
| 建物設計 | 黄宝瑜 |
| 開館 | 1925年10月10日(京都特別市) 1965年11月12日(台湾省台北市) |
| 所在地 | 〒111-43 台北市士林区至善路2段221号 |
| 位置 | 北緯25度06分07秒 東経121度32分55秒 / 北緯25.10194度 東経121.54861度座標: 北緯25度06分07秒 東経121度32分55秒 / 北緯25.10194度 東経121.54861度 |
| 外部リンク | 国立故宮博物院 |
| プロジェクト:GLAM | |
| 国立故宮博物院 | |
|---|---|
| 各種表記 | |
| 繁体字: | 國立故宮博物院 |
| 簡体字: | 国立故宫博物院 |
| 拼音: | Gùgōng Bówùyuàn |
| 注音符号: | ㄍㄨˋ ㄍㄨㄥ ㄅㄛˊ ㄨˋ ㄩㄢˋ |
| 発音: | グーゴン ボーウーユエン |
| 英文: | National Palace Museum |
国立故宮博物院(こくりつこきゅうはくぶついん)は、台湾の台北市にある博物館である。この博物館は、中華民国の国立博物館のうちの1つであり最大のものである。2011年5月現在の収蔵品は約68万点である(清朝が残した文物は全体の90%以上である)[1]。
沿革
中国大陸時代
故宮博物院は、1924年に北洋軍閥の一人である馮玉祥が愛新覚羅溥儀を紫禁城から退去させ、1925年10月10日に宮殿内で清朝が持っていた美術品などを一般公開したのが始まりである。
1925年当時の所蔵品点検レポートによると所蔵品総数は117万件を超えており、博物院は古物館、図書館、文献館を設けて各種文物の整理をする一方で、宮殿内に展示室を開設して多様な陳列を行っていた。
その後、満洲に駐留していた日本軍が華北地方に軍を派遣してきたため、蔣介石の国民政府(1948年以降は中華民国政府に改組)は博物院の所蔵品を戦火から守るべく重要文物を南方へ疎開させた。1933年2月から5月までの間に1万3,427箱と64包に及ぶ所蔵品がまず上海に運ばれ、その後1936年12月には南京市に国立北平故宮博物院南京分院保存庫に移動させた。
その後1937年に盧溝橋事件が勃発したことから、所蔵品は再び3つのルートで運び出され、80箱が四川省の巴県に、9,331箱が楽山に、約7,287箱が峨眉の計3カ所に避難させられた[2]。
所蔵品の台湾への移動
第二次世界大戦後、運び出された所蔵品は重慶を経て再び南京・北平に戻されたが、国共内戦が激化するにつれて、中華民国政府の形勢が不利になったため、1948年の秋より中華民国政府は国立北平故宮博物院から第一級の所蔵品を精選し、11月21日、第1陣として故宮第一陣の文物320箱と中央博物院準備処の212箱、その他240箱の文物が、1949年1月6日には第2陣として故宮文物1,680箱と中央博物院準備処の486箱、その他1,336箱の文物が、同月30日に第3陣として故宮文物972箱、中央博物院準備処の文物154箱、中央図書館の文物122箱の文物が台湾に運び出された[2]。
したがって、国立北平故宮博物院の所蔵品は、中華人民共和国北京市と中華民国台北市の2カ所に分かれて展示されている。これとは別に所蔵品の一部は、国共内戦後の中華人民共和国建国後の混乱のため、北京市に戻すことができず、現在も南京博物院の管轄下で南京市に保管されている。
国立故宮博物院
台湾に運ばれた中華の至宝は、初め台中県霧峰郷北溝の文物庫房に保管された。1957年3月には北溝の陳列室で一般公開を始めた。その後中華民国政府は北溝の地が辺鄙であり、国内外の参観者を集めにくいとして、1965年8月台北の外双渓に台北新館を落成し同年11月12日に正式に落成開幕した[2]。その後国をあげて展示スペースの拡充と倉庫の建設および研究や出版・国際交流活動等ハードソフト両面に力を注ぎ、その収蔵品の価値の高さも相俟ってルーブル・エルミタージュと並び称される博物館となり、これが現在見られる台北市の国立故宮博物院である。
この博物院は、1960年代から1970年代に中華人民共和国で起きた文化大革命における文化財の組織的破壊から、貴重な歴史的遺産を保護するという役割を担ったが、同時に中華民国政府が中国 の唯一合法的な政府であることの象徴と、日本の統治から離脱したばかりの台湾において、中華ナショナリズムを強調するための装置としても中華民国政府に利用されていた。そのために現在では、早期の台湾独立を求める泛緑勢力の一部から「『台湾独立』と引換えに故宮博物院の文物を紫禁城に返そう」という主張が出ているが、実現の可能性はほとんど無い。
2009年10月に中華人民共和国の北京故宮博物院と初の共同展「雍正帝-清・世宗文物大展」を開催し[3]、2016年9月には台北国立故宮博物院院長退任直後の馮明珠が中台一体化の演出を狙う中華人民共和国政府の招聘で北京故宮博物院顧問に就任して[4]、中華民国で物議を醸した[5]。
近年、海外での展示が行われている。2014年に日本の東京国立博物館で、翠玉白菜が初めて海外展示された[6]。2025年には国立故宮博物院創立100周年を記念し、欧州で初めての海外展がチェコで行われ[7]、次いでフランスでも行われた[8]。
施設
北部院区
台湾の国立故宮博物院は、台北市北部の士林区にあり、付近には高級住宅街が広がっている。この博物院には中華民国政府が台湾へと撤退する際に国立北平故宮博物院から精選して運び出された美術品が主に展示されており、その数が合計6万件冊。(台北に運ばれた旧故宮博物院の文物は、器物46,100点、書画5,526点、図書文献545,797点で、国立中央博物院の文物は、器物11,047点、書画477点、図書文献38点で、両院合せて総計608,985点である[9]。)
2001年より、大規模な耐震・改装工事が行われ、館内の一部が閉鎖されていた。工事は2006年12月末に完了し、2007年2月8日より全館が一般公開された。
2020年8月31日、台北市政府文化局により文化資産(歴史建築)に認定された[10]。
南部院区
台湾南部の嘉義県太保市にある高鐵嘉義駅と嘉義県庁の隣に国立故宮博物院南部院区(故宮南院)アジア芸術文化博物館が2015年12月28日開業。博物院の機能の分散化を図るとともに、アジア文化をテーマとしている。
収蔵品より
-
蟠龍紋盤(殷時代)・約前14世紀 - 前11世紀頃・国宝
-
亜醜方簋(殷 - 西周時代)・約前14世紀 - 前10世紀頃・国宝
-
散氏盤(西周時代)・前9世紀・国宝
-
宗周鐘(西周時代)・前9世紀・国宝
-
頌壺(西周時代)・前9世紀・国宝
-
青銅鎏金釋迦牟尼佛坐像(北魏時代)・477年・国宝
-
汝窯青磁無紋水仙盆(北宋時代)・約1086年 - 1106年頃・国宝
-
青花龍紋天球瓶(明時代)・約1402年 - 1423年頃・国宝
-
肉形石(清時代)・17世紀・重要文化財
-
雕象牙透花人物套球(清時代)・1850-1900年
-
宮楽図(唐時代)・約836年 - 907年頃・国宝
-
宋太祖坐像(北宋時代)・約960年 - 976年頃・国宝
-
谿山行旅図(范寬作・北宋時代)・約1000年頃・国宝
-
丹楓呦鹿図(遼時代)・約1031年 - 1048年頃・国宝
-
双喜図(崔白作・北宋時代)・1061年・国宝
-
早春図(郭煕作・北宋時代)・1072年・国宝
-
牧馬図(北宋時代)・12世紀・国宝
-
万壑松風図(李唐作・北宋時代)・1124年・国宝
-
阿羅漢(劉松年作・南宋時代)・1207年・国宝
-
潑墨仙人図(梁楷作・南宋時代)・13世紀・国宝
-
山徑春行図(馬遠作・南宋時代)・13世紀・国宝
-
静聴松風図(馬麟作・南宋時代)・13世紀・国宝
-
チャブイ皇后像(元時代)・約1271年 - 1281年頃・国宝
-
明宣徳帝坐像(明時代)・約1425年 - 1435年頃・国宝
-
廬山高図(沈周作・明時代)・1467年・国宝
観覧時間
- 毎年 1月1日 元旦、旧暦1月15日 元宵節、5月18日 国際博物館の日、9月27日 世界観光の日、10月10日 国慶節、10月17日 台湾文化の日は、無料となっている。
※各種チケットの詳細については、公式ホームページ 参照のこと。
交通アクセス
- 台北市 国立故宮博物院
- 台北捷運
淡水信義線 士林駅(R16)下車、紅30、255、304、815、M1、小18 、小19バスに乗り換え、故宮博物院下車。 - 台北捷運
文湖線 剣南路駅(BR15)下車、棕13バスに乗り換え、故宮博物院正面広場前下車。 - 台北捷運
文湖線 大直駅(BR14)下車、棕20バスに乗り換え、故宮博物院本館エントランス下車[11]。 - 台湾鉄路管理局(台鉄) 台北駅から、台北市2階建て観光バス藍線、故宮博物院下車。
- 嘉義県 国立故宮博物院南部院区 (故宮南院)
脚注
- ↑ 野嶋剛『ふたつの故宮博物院』新潮社、2011年、13頁。
- 1 2 3 “故宮の歴史”. 故宮について. 国立故宮博物院. 2026年1月10日閲覧。
- ↑ “雍正文物大展在台開展 両岸故宮交流"春華秋実"”. 中国網. 2009年10月7日. 2017年12月25日閲覧.
- ↑ “顧問に台湾元院長=北京の故宮博物院が招聘”. 時事通信. 2016年9月8日. 2016年9月10日閲覧.
- ↑ “台北・故宮博物院前院長が北京・故宮研究院の顧問に 「機密が漏れる」と台湾・与党は批判”. 産経新聞. 2016年9月8日. 2016年9月10日閲覧.
- ↑ “ヒスイで作られた奇跡のハクサイが日本初展示!特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」が開催”. Walkerplus. KADOKAWA (2014年5月4日). 2026年1月10日閲覧。
- ↑ “チェコで故宮展はじまる、台湾の「文化外交」が新たなステージへ”. フォーカス台湾. 中央通訊社 (2025年9月12日). 2026年1月10日閲覧。
- ↑ “故宮の国宝「翠玉白菜」が初めてヨーロッパへ”. 台湾光華雑誌. 台湾光華画報雑誌社 (2025年11月). 2026年1月10日閲覧。
- ↑ “旧蔵・新蔵コレクション”. 故宮について. 国立故宮博物院. 2026年1月10日閲覧。
- ↑ “故宮不是古蹟 北市登錄為歷史建築”. 自由時報. 2020年9月1日.
- ↑ “故宮参観>交通案内>公共交通サービス”. 台北: 国立故宮博物院. 2018年11月12日閲覧。
文献
関連項目
外部リンク
- 国立故宮博物院(台北)公式ホームページ(日本語)
- 國立故宮博物院 文化部文化資産局
- 国立故宮博物院 - 世界の美術館データベース
国立故宮博物院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 18:46 UTC 版)
台北市の士林区にある国立故宮博物院は、国共内戦に敗れた中華民国政府が台湾へと撤退する際に、北京の故宮(旧紫禁城)と南京の国立中央博物院から持ち運んだ中国歴代の貴重な美術品を収納・展示している博物館である。
※この「国立故宮博物院」の解説は、「中華民国」の解説の一部です。
「国立故宮博物院」を含む「中華民国」の記事については、「中華民国」の概要を参照ください。
「国立故宮博物院」の例文・使い方・用例・文例
- 国立故宮博物院のページへのリンク


