只見川本流案
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詳細は「只見特定地域総合開発計画#只見川本流案」を参照 「只見川本流案」における尾瀬原ダムの規模は高さ62 m 、有効貯水容量が 2億5,000万 m3 と「尾瀬分水案」よりも規模が小さい。だが最大の違いは揚水発電ではなく一般水力発電に変更され、かつ利根川への分水を行わないという点である。この点で福島県は「本流案」を支持した。 「本流案」の骨子は、只見川源流の尾瀬から阿賀野川中流の阿賀町まで、支流の伊南川を含めた形で21箇所の水力発電所とダムを階段式に建設し、只見川の河水を余すことなく利用するというものである。そして上流には大容量貯水池を有する大規模水力発電を設け、これを根幹として東北地方へ送電を行うことを目的とした。尾瀬原ダムは奥只見ダム、前沢ダム、田子倉ダム、内川ダムと共に上流大貯水池群の一環として計画された。
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只見川本流案
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「只見特定地域総合開発計画」の記事における「只見川本流案」の解説
只見川本流案とは、日発東北支店が1947年に発表した「只見川筋水力開発計画概要」が基礎となっており、日発東北支店及びその地盤を継承した東北電力と福島県が推した計画案である。 本流案の骨子は只見川の源流である尾瀬から最下流の阿賀野川まで一貫して水力発電所を建設するものである。その特徴としては只見川と阿賀野川、及び支流の伊南川に階段式に21箇所のダムと水力発電所を建設し、可能な限り河水を利用するというものであった。特に只見川最上流部には尾瀬原、奥只見、前沢、田子倉の四ダム、伊南川には内川ダムという有効貯水容量が1億立方メートルを超えるダムと大容量貯水池を建設して大規模な水力発電を行い、下流には新たに滝、本名、上田、柳津、片門、上野尻のダム式発電所と沼沢沼揚水発電所を建設する。これによって新たな電力を開発すると共に、既に建設されている宮下、新郷、山郷、豊実、鹿瀬発電所の出力増強を図る。さらに阿賀野川最下流部には上流の発電所群より放流された水量を調節し、阿賀野川下流部の水量を一定に維持するための逆調整池として揚川ダムを建設するという計画である。計画の内容は以下の表に示す。 河川発電所認可出力(kW)ダム高さ(m)貯水容量(千m²)備考只見川 尾瀬原 168,000 62.0 250,000 只見川 大津岐 50,600 30.0 1,000 只見川 奥只見 289,000 150.0 558,000 只見川 前沢 109,000 117.0 144,000 只見川 田子倉 168,000 104.0 263,000 只見川 滝 120,000 38.0 5,800 只見川 本名 83,000 45.0 660 只見川 上田 55,000 不明 不明 只見川 宮下 92,200 既設 既設 3万6000キロワットの一部運転開始後、増設。 只見川 沼沢沼 43,600 85,200 只見川 柳津 63,600 34.3 5,670 5万5000キロワットの一部運転開始後、増設。 只見川 片門 52,300 20.8 4,200 4万5000キロワットの一部運転開始後、増設。 伊南川 内川 26,900 132.0 221,000 伊南川 辰巳山 36,600 伊南川 伊南川 20,000 既設 既設 増設。 阿賀野川 新郷 69,000 既設 既設 増設。 阿賀野川 山郷 52,700 既設 既設 増設。 阿賀野川 上野尻 54,600 24.0 2,500 阿賀野川 豊実 88,600 既設 既設 増設。 阿賀野川 鹿瀬 78,200 既設 既設 増設。 阿賀野川 揚川 76,800 23.0 1,500 計 21 1,776,200 1,542,530 この計画では奥只見ダムがほぼ現在の規模で計画されているが、田子倉ダムは現在の規模よりも小さい。この他に前沢と内川の大ダムが建設される。そして尾瀬原ダムは後述する尾瀬分水案に比べ規模を小さくしたほか揚水発電から一般水力発電に変更され、利根川には分水されない。これら21箇所の発電所が完成すれば総出力は177万6200キロワットとなり建設費も他の計画案に比べ安くて済む利点もあり、最も効率的に発電を行えると主張した。
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