古典派の経済思想とは? わかりやすく解説

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古典派の経済思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 15:12 UTC 版)

古典派経済学」の記事における「古典派の経済思想」の解説

この古典派経済学時代、つまり1770年後半から1870年代前半限界革命以前古典派経済学その分析の基礎においているのは「労働価値説」という考え方である。労働価値説には支配労働価値説(ある商品価値が、それを支配する他の商品の量によって決定されると言う説)と投下労働価値説(ある商品価値が、その商品生産投入され労働量によって決まると言う説)という2種類のものがあるが、より基本的な考え方として価値生み出すのは人間労働であるという思想があった。この考え方古典派経済学者のリカードマルサスに至るまで古典派考え方基礎であり続けたまた、古典派経済学経済社会を「資本階級」「労働者階級」「地主階級」の3つの階級分けて、これを中心に分析をしている。 この背景としては、当時急激な変化を伴う時代だったということ指摘されるだろう。19世紀から20世紀には大工場所有する産業資本家労働者雇い利潤目的目指し労働者商品生産するという資本主義という経済体制封建社会から産声上げた時代であった18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命社会広範な影響与えはじめた時代の変化は、非常に急激なものであり、その時にあった経済学求められた。このような時代のさなかに始まったのがアダム・スミスに始まる古典派経済学である。1776年国富論において「見えざる手」という概念古典派経済学者のアダム・スミスによって考えだされた。すなわち、個人自由な市場において、個々利益最大化するように利己的に経済活動行えば、まるで見えざる手バランスを取るかのように最終的に全体として最適な資源の配分達成されるというものである。この「見えざる手」は、現在では「価格メカニズム」と呼ばれる見えざる手は、日本では神の見えざる手」と紹介されることもある。しかし、アダム・スミス自身は「Invisible hand(見えざる手)」という言葉使っており、国富論原文には「神の(of God)」という部分はない。 アダム・スミスは、国家の富とは「生活の必需品便益品」つまり消費財であると考えた。またこの消費財労働によって作られるのだと考えたまた、その富とは、蓄積された財(ストックではなく年々消費されるフロー」であると位置付けた。また、重農主義者であるフランソワ・ケネー自由放任レッセ・フェール)の考え方は、アダム・スミス影響与えたスミスはこの富は農地資本設備投下され労働によって生み出される考えた。これは労働価値説、あるいは投下労働価値説というものであるまた、スミスは、商品価値はその商品購買あるいは交換できる他の商品労働量に等しいという支配労働価値という考え方紹介している。そして、国富労働者地主資本家の間で、賃金地代利潤という形でそれぞれに分配される考えられここから、「価値というものが賃金地代利潤3つ分解できる」という考え方発展した。これがスミスの「自然価格」というものである価格というものは市場によって常に変動するのであるが、自然な状態にあるときの価格持って中心価格とする考え方である。また、賃金の自然率・地代の自然率・利潤の自然率の3つによって構成されるのが自然価格(natural price)だというのが、自然価格基本的な考え方である。 古典派経済学は、イギリス産業革命勃興期前提として成立したが、その後問題となった10年周期恐慌フランス大規模な失業労働者対す有効な処方箋作成することができなかった。

※この「古典派の経済思想」の解説は、「古典派経済学」の解説の一部です。
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