受容および批評家らの反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 06:02 UTC 版)
「ココロノオト」の記事における「受容および批評家らの反応」の解説
本アルバムは発売後、肯定的な支持を多く得ている。まず、音楽誌『ミュージック・マガジン』に掲載されたベスト・アルバム2017の「Jポップ/歌謡曲」部門では第6位に入選した。そして、音楽作品を販売するディスクユニオンが刊行した『いますぐ聴いてほしい2017年オールジャンル800』J-POP部門で本作が選出され、有安は「アイドルらしからぬアーティスト指向」を持っていると評された。本アルバムについて、音楽出版社が運営する音楽誌『CDJournal』ではポップな楽曲で構成され、有安の「爽やかな」歌声との調和が取れていると述べられている。また、激ロックエンタテイメントによる音楽情報サイト「Skream!」上で、ライターの吉羽さおりは有安以外の音楽家が手を加えた作品(特に小谷美紗子が書いた「裸」・Tokyo Recordingsに所属する小島裕規がアレンジを手掛けた「色えんぴつ」)に着目し、「挑戦的に[有安の]新しい一面を引き出している」と評した。同メディアはジャズあるいはファンクの要素が含まれるとし、アイドルグループのメンバーとしての一面とは違った「大人の表情や、ひとりの歌い手としての凛とした横顔を見せる内容」を本作で示しているとした。ほかにも、ニュースサイト「ORICON MUSIC」上で斉藤貴志はアルバムについて「音楽性の高い」内容と言及している。 収録曲それぞれについては以下のように言及されている。まず、ライターの斉藤は有安の手掛けた歌詞について触れ、特に楽曲「ハムスター」には「アイドルとしての影の葛藤」が、「ヒカリの声」には「アーティストとしての使命感」がそれぞれ表れているのではないか、と指摘している。音楽などに関連したニュースを取り扱うサイト「CINRA.NET」における対談記事では、ライターの黒田隆憲がアルバムから有安の人間性が読み取れると指摘し、作品「色えんぴつ」には後からももいろクローバーに加入した有安の心境が反映されているのでは、と述べた。2019年に実施された有安のライブ公演に関する「音楽ナタリー」のレポート記事では『ココロノオト』収録曲の音楽性について言及されている。まず「Catch up」は「疾走感あふれるピアノロック」と形容され、「色えんぴつ」は同じくピアノによって奏でられるバラードと位置づけられている。そして「遠吠え」・「愛されたくて」の2作品についてはバンド・アンサンブルによって構成されるジャズライクな作品と表現された。また「ヒカリの声」は「ポップな曲調」とされている。 一方で、作品について否定的な評価を与えたものもいた。週刊誌『SPA!』が運営する情報サイト「女子SPA!」において音楽批評家を名乗るライターの石黒隆之は、女性グループのフィフス・ハーモニーで有安同様に途中からソロ活動を始めたカミラ・カベロを引き合いに出し、彼女のアルバム『カミラ(英語版)』と有安のアルバムを比較して「楽曲の耐用年数に著しく差がある」と述べ、『ココロノオト』は昨今の凡庸なJ-POPに埋もれてしまうような内容であると指摘した。特に「ヒカリの声」について「昭和50年代のニューミュージックに毛の生えた程度の楽曲構成やサウンド、若者特有の揺れる心情を歌った歌詞」と否定的なコメントを残している。
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