原子的標準に基づく周波数と時間
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「日本標準時」の記事における「原子的標準に基づく周波数と時間」の解説
1960年(昭和35年)第13回国際電波科学連合 (URSI) 総会および第11回国際天文学連合 (IAU) 総会(1961年)で、セシウム原子標準の振動数 9192631770 Hz が公認され、これに基づく新たな標準電波報時の国際同期方式(旧協定世界時)を具体化した。 1961年(昭和36年)9月1日郵政省告示により、標準電波について、いままでUT2を基にしていた周波数値を、アンモニアメーザ(3-2線ダブルビーム)標準器(原子周波数標準器)を一次標準として決定するに変更し、確度は周波数で5×10−9、時刻で0.05秒以内となる。ただし、UT2になるべく近く保つための周波数オフセットや0.1秒のステップ調整を行うことになる(旧UTC方式。ただし、まだUTCは採用されていない)。この時のオフセット値は−150×10−10。また、報時信号の国際同期(1 ms以内)にも参加。 1962年(昭和37年)4月25日昭和37年文部省/郵政省告示第1号により、「郵政省設置法の規定に基づいて発射する標準電波の周波数については、郵政省電波研究所の原子周波数標準器により、通報する標準時については東京天文台の決定する中央標準時により、それぞれ偏差を算出し、これを郵政省電波研究所において公表する」となる。 なお、この当時はまだ協定世界時 (UTC) が採用されていないので、東京天文台が決定する中央標準時は世界時 (UT2) +9時間である。 1964年(昭和39年)6月1日郵政省告示により、標準電波をCCIR勧告方式に全面改訂。標準電波により通報される標準時の確度は中央標準時に対し0.1 s以内となる。 9月第12回国際天文学連合 (IAU) 総会で、世界時 (UT2) と±0.1秒以内で近似するように調整された旧協定世界時の採用を決議した。 1967年(昭和42年)10月パリで行われた第13回国際度量衡総会で、国際単位系における時間の計量単位としての秒について、現在の原子時計に基づく定義が決定された(秒単位の長さは暦表秒をそのまま引き継いでいる)。ただし、日本では現行の協定世界時が開始される1972年まで法改正が行われない。 12月東京天文台に、ヒューレット・パッカード製の原子時計が納入される。 1969年(昭和44年)電波研究所で、実用セシウム標準群が水晶標準器の代わりに主役として標準時の維持に貢献するようになる。
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