即興の工程とは? わかりやすく解説

即興の工程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/02 09:40 UTC 版)

即興劇」の記事における「即興の工程」の解説

即興によるシーン成功させるためには、話の中心focus)を定め出演者たちが協力しそれぞれ責任持ってその物語の性格流れ定義していかなければならないシーン中のセリフ動きによって、他のキャラクタに名前を与えたり、場所や関係を明確にしたり、あるいはジェスチャ用いて空間定義してゆく。このようにシーン構成してゆく行為を特に「オファーoffer)」と呼ぶ。これは「エンダーメント(endowment)」とも呼ばれている。出演者は、共演者オファー受け入れる(accept)ことが重要である。オファー受け入れない行為ブロッキングblocking)と呼ぶ。これは往々にしてシーン進行妨げることにつながる。中には故意ブロッキングをする(あるいは役柄抜け出す)ことによって笑い得ようとする役者もいるが、一般的にはシーン進行妨げ行為であり、多くのインプロバイザは敬遠するオファー受け入れることによってそれは同時に新たなオファー追加することになり、結果的にシーンをより早く構成することができる。これこそが、インプロバイザたちが「イエスアンド…(Yes and)」と呼ぶものであり、即興劇技術の要となるものである。すなわち、相手からのオファーを「イエス」と受け入れた上で、さらに「アンド」する、つまり自分から出したアイディア追加することで、即興劇中の世界観・設定登場人物たちの関係・ストーリーなど構築されていくのである即興また、観客との間に強い関係を作る演者たちは、しばしば観客提案要求する。それは、単に発想タネを得るばかりでなく、観客より一層巻き込み楽しませることにも貢献する。さらに、それが本当に即興であって台本用意されていないということの証明にもなる。 即興劇の中で、喜劇的なエンタテイメント性に重点置いたものを特に即興コメディと呼ぶ。 即興劇においては通常の演劇用いられるような「小道具」は準備することができない汎用的小道具用意していることもあるが、多くパフォーマーパントマイム技術用いてモノ作り出す。すなわち、手の形や動きモノ表現する作られモノは、安定して存在し続けることが要求されるや壁を歩いて通り抜けるようなことがあってはならない即興役者準備無し様々な役柄演じ分けなければならないため、キャラクタ物理的特性仕草言葉のなまり、声質、などを瞬時切り替える技術要求される異な性別かけ離れた年齢与えられる場面少なくない作られキャラクタの「行動目的」は、シーン成功させる重要な要素である。即興役者は、その演じている役がいったい何をしたいのかを感じ取らなければならない多く即興役者は、通常の台本芝居役者として活躍している。即興技術は普通の演劇クラスでもしばしば教えられる即興役者トレーニングとして用いられる即興通して得られる技術、すなわち、聴くこと、わかりやすく表現すること、自信を持つこと、考えず演技すること、などは、一般役者たちにとって重要なスキルであると考えられている。。 多く劇団様々な即興パフォーマンス舞台で公演している。最も有名なものの1つは、キース・ジョンストン(Keith Johnstone)が作った国際団体シアタースポーツTheatresports)」である。彼は、即興劇発展多大な影響与えた本、Impro の著者でもある。 即興劇大きな影響与えたもう1つグループは、「シアターゲーム」の創設者であるヴァイオラ・スポーリン(Viola Spolin)とその息子ポール・シルズ(Paul Sills)が中心となっているシカゴ団体セカンド・シティ」(Second City)である。彼らは、ストーリー・シアター、デル・クローズ、ImprovOlympicの基礎築いた。ロングフォームの形態として知られる "ハロルド" の生みの親でもある。

※この「即興の工程」の解説は、「即興劇」の解説の一部です。
「即興の工程」を含む「即興劇」の記事については、「即興劇」の概要を参照ください。

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