即興について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 00:23 UTC 版)
「ヨハネス・フリッチュ」の記事における「即興について」の解説
作品で求められる即興性について演奏家への依存度がむやみに高い場合、それは即興演奏と言うよりも作曲行為にあたると考えらることがある。1970年の 大阪万博のおり、シュトックハウゼン・アンサンブルは183日の期間中、毎日6時間のプログラムでパフォーマンスを展開した。それは単なる演奏者としての仕事ではなく、個人個人の生涯を投資した創造作業と考えたことから、メンバー数人は自分たちの即興演奏には作曲と同じ権利が与えられるべきだとして、シュトックハウゼン名義での作品演奏を拒否する姿勢を示した。シュトックハウゼンはその考えに理解を示しドイツの著作権管理団体GEMA (ドイツ語版)にかけあったがこれが認められず、ついては契約書に従って引き続き演奏に当たってほしいとしたために、もめごとが深まってしまった。これがもとでその後8年間フリッチュとシュトックハウゼンは疎遠になるが、この件についてフリッチュは「よくある親子げんかのようなものだった」と述べている。音楽における即興とは自由無条件ということではなく、決められた範疇ないしは事前の申し合わせ、アンサンブルの場合作曲者の身振による合意などによって統制され、制御されるものであり、「生きている音楽家の思いが重要」だとしている。
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