単線による新幹線整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/30 08:36 UTC 版)
「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」の記事における「単線による新幹線整備」の解説
前年度までの検討結果を基にケーススタディが実施された。駅間距離が最短10kmから最長50kmに、トンネル区間の割合が3割から7割に設定され、単線新幹線のコスト縮減効果と運行上の課題の整理が行われた。路線全体で最大15%程度のコスト削減効果がある一方で、表定速度は最大20%程度低下することが分かった。今後の調査では、ケーススタディの結果を踏まえ、より合理的な整備・運行手法についての検討が行われる。 単線による新幹線整備のケーススタディ調査項目調査結果コスト削減効果 70%の区間を単線にすると約10%~11%、全線を単線にすると約14%~16%、事業費単価(億円/km)の削減が見込まれる。 トンネル区間の割合はコスト削減率にほとんど影響を与えないことが分かった。 運行面 行き違いのための停車が発生し、表定速度が下がる。単線区間が4割程度の区間では約5%、6割超の区間では約20%低下する。 実際の速達性は営業主体が設定する運行本数や停車駅数によって異なる。この調査では各区間の運行本数を毎時片道2本ずつ(速達タイプ1本、緩行タイプ1本)に設定している。 各駅間の到着時分線区全線複線一部単線全線単線A駅 - H駅間 0:53:30 0:56:00 1:07:45 A駅 - K駅間 0:50:30 1:04:00 1:01:45 A駅 - L駅間 0:43:00 0:45:00 0:55:00 このケーススタディでは、途中で分岐・合流がある全長300kmの路線を単線で整備する場合について分析された。ケーススタディの路線図には「四国新幹線」「四国横断新幹線」と明記されていないが、四国における全長302kmの整備構想と内容が一致している。各駅の名前と所在地が書かれていないが、各駅の構造と駅間距離を読み取れるため、「A駅」が山陽新幹線との分岐点となる岡山駅であれば、「K駅」が徳島市、「I駅」が高松市、「E駅」が四国中央市、「H駅」が松山市、「L駅」が高知市の駅と推定できる。 線路 … ‖:複線区間、|:単線区間、◇・◆:列車交換可能(◆はスイッチバック駅)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線 A駅 - C駅 - E駅 - L駅間の駅一覧表駅名駅の構造A駅からの距離(km) 線路所在地(未定) 備考A 分岐駅(2面4線) 0 ‖ 既存新幹線で大都市方面へ直通運転 分岐点 5 ‖ 既存新幹線との分岐点 B 中間駅(2面2線) 30 ‖ C 分岐駅(2面4線) 50 ◆ A駅 - I駅・K駅間を走る列車はここでスイッチバック D 中間駅(2面2線) 75 ‖ E 分岐駅(2面4線) 95 ∨ A駅 - L駅間を走る列車はここで分岐 信号場 ◇ 単線の場合は行き違いを考慮して信号場を設置 L 終端駅(2面4線) 145 ∧ K駅 - C駅 - E駅 - H駅間の駅一覧表駅名駅の構造A駅からの距離(km) 線路所在地(未定) 備考K 終端駅(2面4線) 130 ∨ J 中間駅(2面2線) 100 | I 主要駅(2面4線) 70 ◇ C 分岐駅(2面4線) 50 ◆ A駅 - I駅・K駅間を走る列車はここでスイッチバック D 中間駅(2面2線) 75 ‖ E 分岐駅(2面4線) 95 ∨ A駅 - L駅間を走る列車はここで分岐 F 中間駅(2面2線) 120 | G 中間駅(2面2線) 130 | 信号場 ◇ 単線の場合は行き違いを考慮して信号場を設置 H 終端駅(2面4線) 175 ∧
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