北風ボレアースとは? わかりやすく解説

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北風ボレアース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 06:13 UTC 版)

アネモイ」の記事における「北風ボレアース」の解説

ボレアース(Βορέας, Boreas)は冬を運んでくる冷たい北風の神である。ボレアースの名は、「北風」あるいは「むさぼりつくす者」を意味するボレアースは非常に強力な神であり、それと同様に粗暴であったボレアースはしばしほら貝持ち突風にうねる外套纏いもじゃもじゃ頭に顎鬚生やした、翼のある老人として描写された。パウサニアースボレアースの足がになっている記しているが、通常の絵画においては、彼は人間の足を持ち背中に翼が付いている神として描かれている。 ボレアースは馬と密接に関連付けられている。ボレアース雄馬の姿を取りイーリオスの王エリクトニオス雌馬たちとの間に12匹の仔馬もうけたと言われている。これらの仔馬は、作物踏みにじることなく穀物畑を走り抜けることができたと伝えられている。大プリニウスは『博物誌』の4章35節および8章67節において、雌馬臀部北風向けて立たせれば、雄馬なしに仔馬種付けできるのではないか述べている。 ギリシア人ボレアース住居トラーキアにあると考えており、ヘーロドトスプリニウスヒューペルボリア(「北風向こうの国」の意)として知られる人々が幸福を完うしつつ非常な長命保って暮らしている北方地域について記述している。 また、ボレアースはイーリッソス河からアテーナイの王オーレイテュイア略奪したとも伝えられている。オレイテュイアーに惹かれボレアースは、最初は彼女の歓心を得んとして説得試みていた。この試み失敗に終わると、ボレアース生来荒々しい気性取り戻し、イーリッソス河の河辺踊っていたオーレイテュイア誘拐したボレアースは風で彼女を雲の上吹き上げてトラーキアまで連れ去り、彼女との間に二人の息子ゼーテースカライスおよび二人の娘キオネークレオパトラーもうけた。 この時より以降アテーナイ人々ボレアース姻戚による親類見なすようになったアテーナイクセルクセスにより脅かされたとき、人々ボレアース祈り捧げボレアース暴風400隻のペルシアの船を沈めた伝えられている。同様の出来事がその12年前に起こっており、ヘーロドトスは以下の様に記している。 「 私はペルシアの舟が暴風により難破したというのが本当かどうか断言することはできないが、アテーナイ人々ボレアース以前に彼らを救ったようにして、この奇跡起こしたのである信じている。そして、アテーナイ人々故郷帰還すると、イーリッソス河にボレアース神殿建造した。 」 オーレイテュイア略奪ペルシアとの戦争前後のアテーナイで有名であり、頻繁に古甕の文様として描かれていた。これらの文様においてはボレアースチュニック着込み、しばしば覆われ逆立ったもじゃもじゃの髪を持つ、髭の男として描写された。オーレイテュイア略奪アイスキュロス失われた戯曲オーレイテュイア』の題材となっている。 より後の時代記録では、ボレアースビュートおよびリュクールゴス母親別の女性)の父親であり、ニュンペーであるピテュス (Pitys) の愛人であったローマ神話においてボレアース相当する神格はアクィロー (Aquilo) あるいはアクィロン (Aquilon) であった北風の神に与えられたより珍しい別名としては、おおぐま座七つ星 (septem triones) に由来するセプテントリオ (Septentrio) がある。セプテントリオは、「北方」を意味する英語 "septentrional" の語源でもある。

※この「北風ボレアース」の解説は、「アネモイ」の解説の一部です。
「北風ボレアース」を含む「アネモイ」の記事については、「アネモイ」の概要を参照ください。

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