北風6人衆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 05:19 UTC 版)
ほぼ同時期に北海道から漫画家を目指して上京してきた6人組。全員が漫画家のアシスタントであり、かーばた、わへーを除く4人が武蔵野荘に入居している。のち、かーばたを除く5人がプロデビューを果たす。 あづま 吾妻ひでお本人。主人公。本作では、他の吾妻作品で用いられる、片目の大きな自画像とは異なるデザインが用いられている。内気で無口。極度の風呂嫌いで、数ヶ月間風呂に入らなくても平然としている。当時はまだ酒には慣れておらず、『真夜中のカーボーイ』のダスティン・ホフマンにあこがれて酔っ払いを目指そうして、大失敗している。 SFファン。ギャグ漫画家としては永井豪を高く評価している。 まっちゃん(松久) 松久由宇。フクロウの姿で描かれている。佐藤まさあきの住み込みアシスタントをしていたが、合わずに辞職。飛び込みで関谷ひさしの手伝いをしたこともある。高校のころから一人暮らしをしており、一人暮らしに馴れている。飄々としており、周囲からは一歩引いたようなところがある。 のちにプロデビュー。作中では描写されていないが、あづまとは同じ高校の同級生で、一緒に上京した間柄。「あとがき」で触れられている対談は、『ぶらっとバニー 完全版』第2巻(徳間書店、2008年)のために行われたもの。 わへー 和平俊秀。アリクイの姿で描かれている。札幌出身。水島新司のアシスタント。 のちにプロデビューし10年ほど執筆。多くの吾妻作品に登場する「ホオ骨の男」のモデルとなった人物でもある。 わてん(伊藤) ワニの姿で描かれている。富良野出身。上京後、工場に就職し、寮で暮らしていたが退職。まっちゃんとともに武蔵野荘に入居し、池上遼一のアシスタントとなる。ゆきみとは北海道時代からの親友同士であり、ゆきみの上京後は同居。短気で挑発に乗りやすい。苦手なものはゴキブリ(上京するまで見たことがなかったため)。酔っぱらって隣の学生と大喧嘩したことが原因となり、武蔵野荘を退去させられる。 のちに秋田書店からプロデビューを果たすが、後が続かずに終わる。吾妻の『ネムタくん』他に登場する、下アゴの大きな男「伊藤」のモデルになった人物でもある。 かーばた(会長) ネズミのような姿で描かれている。井上英沖のアシスタント。「フクちゃん」という彼女がいる。 盗作癖がある。あづまのアイディアノートを盗み見て、そこに書かれたアイディアをそのまま自分のアイディアとしてあづま本人に話し、何も知らないあづまを困惑させた。「コボタン」で宮谷一彦に殴られたことがある。 6人の中では唯一プロデビューができなかった。作中では触れられていないが、元ぐら・こん北海道支部会長であり、「会長」の呼び名はこれに由来する。 きくちゆきみ 作中ではサイの姿で描かれて、「ゆきみちゃん」または「きくち君」と呼ばれている。わてんとは北海道時代からの親友同士。父親を説得して上京、武蔵野荘のわてんの部屋に居候。のち、いててどう太郎のところに押しかけ、あづまに続く2人目のアシスタントとなる。吾妻より先に「まんが王」でデビュー。北海道に「ミヨちゃん」という彼女がいる。のち、わてんとともに武蔵野荘を退去。 あづまとは対照的に、快活で純真な性格。ギャグ漫画家としてはジョージ秋山を高く評価している。歴史小説のファンで、「SFなんてウソが書いてあるからだめだ」と言い張る。 あづまとは、ともにギャグ漫画を描く良きライバル同士だった。2年ほど『まんが王』で漫画を描いていたが、見切りをつけて北海道に戻る。
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