労働基準法等の適用に関する特例等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 00:12 UTC 版)
「労働者派遣事業」の記事における「労働基準法等の適用に関する特例等」の解説
労働基準法等の労働者保護法規の労働者派遣事業に対する適用については、原則として派遣中の労働者と労働契約関係にある派遣元の事業主が責任を負う立場にある。しかしながら、派遣中の労働者に関しては、その者と労働契約関係にない派遣先の事業主が業務遂行上の具体的指揮命令を行い、また実際の労働の提供の場における設備、機械等の設置・管理も行っているため、派遣中の労働者について、その保護に欠けることのないようにする観点から、派遣先における具体的な就業に伴う事項であって、労働者派遣の実態から派遣元の事業主に責任を問うことの困難な事項、派遣労働者保護の実効を期すうえから派遣先の事業主に責任を負わせることが適当な事項については、派遣先の事業主に責任を負わせることとし、労働基準法等の適用の特例等に関する規定を設けている(派遣法第44条~第47条の4)。労働基準法等の適用の特例に関する規定は、当該特例規定がなければ派遣元の事業主が負担しなければならない責任を、特定のものについて派遣先の事業主に負わせるものであり、このような特例規定が存しない労働基準法等の規定については、すべて派遣元の事業主が責任を負担することになる。 労働基準法 派遣元・派遣先双方が使用者としての義務を負う規定均等待遇(第3条)、強制労働の禁止(第5条)、徒弟の弊害の排除(第69条) 派遣先が使用者としての義務を負う規定公民権行使の保障(第7条)、労働時間(第32条、第60条)、変形労働時間制(第32条の2~第32条の4。ただし協定の締結は派遣元。「1週間単位の変形労働時間制」は除く)、時間外・休日労働(第33条、第36条。ただし「三六協定」は派遣元)、休憩時間(第34条)、休日(第35条)、労働時間の適用の特例(第40条、第41条)、深夜業(第61条)、危険有害業務の就業制限(第62条、第64条の3)、坑内労働(第63条、第64条の2)、妊産婦の労働時間の特例(第66条)、育児時間(第67条)、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置(第68条) 労働安全衛生法 派遣元・派遣先双方が事業者としての義務を負う規定総括安全衛生管理者(第10条)、衛生管理者(第12条)、安全衛生推進者(第12条の2)、産業医(第13条)、衛生委員会(第18条)、安全管理者等に対する教育等(第19条の2)、作業内容変更時の安全衛生教育(第59条2項)、危険有害業務従事者に対する教育(第60条の2)、中高年齢者等についての配慮(第62条)、健康診断実施後の作業転換等の措置(第66条の8) 派遣先が事業者としての義務を負う規定安全管理者(第11条)、作業主任者(第14条)、統括安全衛生責任者(第15条)、元方安全衛生管理者(第15条の2)、店社安全衛生管理者(第15条の3)、安全委員会(第17条)、労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第20条~第36条)、定期自主検査(第45条)、化学物質の有害性の調査(第57条の4)、危険有害業務就業時の安全衛生教育(第59条3項)、職長教育(第60条)、就業制限(第61条)、作業環境測定(第65条)、有害な業務に係る健康診断(第66条2項)、労働時間の状況の把握(第66条の8の3)、受動喫煙の防止(第68条の2)、安全衛生改善計画(第78条、第79条)
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