しょき‐じんるい【初期人類】
初期人類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 08:19 UTC 版)
発声を扱ううえで、初期のヒト属(80-250万年前)の言語を扱う能力に関して著名な説がある。解剖学的に、350万年前ごろのアウストラロピテクスにおいて発達した二足歩行という特質が頭蓋骨に変化をもたらし、声道をよりL字形にしたと信じている学者もいる。頸部の比較的下の方に位置する声道や喉頭といった構造はヒトが作り出す多くの音声、特に母音を作るうえで必須な必要条件である。喉頭の位置に基づいて、ネアンデルタール人ですら現生人類が作り出す全ての音を完全に出すのに必要な解剖学的構造を持っていないと信じている学者もいる。さらに別の考え方では、喉頭の位置の低さは発声能力の発展とは無関係だとされる。 「原言語(proto-language)」という術語は言語学者のデレク・ビッカートンが定義したもので、以下の物を欠く原始的なコミュニケーションの形式である: 完全に発達した統語構造 時制、相、助動詞、等々 独立の機能を持つ(つまり非語彙の)語彙 つまり、大型類人猿の言語と完全に発達した現生人類の言語との間のどこかに位置する、言語の進化の一段階のことである。ビッカートン(2009年)は、そういった原言語の最初の発生は初期のヒト属の出現に伴って起こったと提議し、ヒト属の発生をホモ・ハビリスが直面した腐肉食のニッチに行動を適応させないといけないという圧力と結びつけて考えている。 L字形の声道のような解剖学的特徴は突然現れたのではなく徐々に進化してきた。そのため、更新世初期の現生人類が持っている形式と霊長類が持っている形式の中間に位置するなんらかの形式のコミュニケーションをホモ・ハビリスやホモ・エレクトゥスが有していた可能性が最も高い。
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