関手圏
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圏論という数学の分野において、与えられた2つの圏の間の関手たちは関手圏(かんしゅけん、英: functor category)と呼ばれる圏をなす。その対象は関手であり、射は関手の間の自然変換である[1]。関手圏は主に2つの理由によって興味が持たれる:
- ^ Mac Lane 1998, p. 40.
- ^ Tom Leinster (2004). Higher Operads, Higher Categories. Cambridge University Press
函手圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/07 22:24 UTC 版)
詳細は「函手圏」を参照 C を任意の圏、I を小さい圏とすると、I から C への全ての函手を対象とし、それらの函手間の全ての自然変換を射としてもつ函手圏 CI が構成できる。これが圏を成すのは、任意の函手 F に対して恒等自然変換 1F : F → F (これは各対象 X に F(X) 上の恒等射を対応させる)) が存在することと、二つの自然変換の合成(上述の「垂直合成」)がまた自然変換となることによる。 函手圏 CI における同型とは、自然同型のことに他ならない。つまり、自然変換 η: F → G が自然同型であることと、ηε = 1G かつ εη = 1F なる自然変換 ε: G → F が存在することとは同値である。 I が有向グラフから生じるときの函手圏 CI は特に有用である。例えば I が有向グラフ • → • の与える圏のとき、CI は C のすべての射を対象とし、CI における二つの対象 φ : U → V と ψ: X → Y の間の射は C における射 f: U → X および g: V → Y の対で「矩形可換」つまり ψf = gφ を満たすもので与えられる。 より一般に 2-圏 Cat が 0-胞(対象): 小さい圏、 1-胞(射): 二つの対象 C, D に対して C から D への函手 2-胞: 二つの 1-胞(函手)F: C → D, G: C → D に対して F から G への自然変換 なるものとして構成できる。 水平および垂直合成は先に述べた自然変換の間の合成である。函手圏 CI は、従って(小さい圏かどうかはさておけば)単にこの圏におけるホム圏である。
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