再配布可能な実装の一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 19:06 UTC 版)
「Common Lisp」の記事における「再配布可能な実装の一覧」の解説
Steel Bank Common Lisp (SBCL) 後述のCMUCL から分岐して保守性を大幅に強化した処理系であり、現在通常のx86コンピュータで最も使用されている実装の一つ。SBCL は、REPLから入力された評価式であっても、インタプリタを介さず全てネイティブコードにコンパイルしてから実行する。CMUCL譲りのコンパイラにより非常に強力な最適化を行うことが出来、生成するコードはC言語のコードを上回ることもある。SBCL は、CMUCL が動作するプラットフォームに加えて、Linux(PowerPC、SPARC、MIPS)、Mac OS X、Microsoft Windows 上でも動作する。ただし、HP-UX 上では動作しない。 Clozure Common Lisp (CCL) フリー の処理系であり、SBCLと並んで使用されている実装。祖先はMacintoshをプラットフォームとするMacintosh Common Lispという商用の処理系であったが、他のOSプラットフォームへオープンソースとしてフォークされるようになり混同を避けるためClozure CLと改名した。その歴史のため、Mac OS の Cocoa API との連携(実装による独自機能)に強みをもつほか、ファイルの遅延ローディング、デバッグメッセージのわかりやすさなどの特色を持つ。現在は Mac OSX、Darwin、Linux(PowerPC、Intel x86-64)Windows に移植されている。 Embeddable Common Lisp (ECL) 後述のGCLから派生した、C言語で作成されたプログラムに組み込むために設計された処理系である。lispコードはCのコードに変換された上でコンパイル実行されるので、最低限のCコンパイラしか提供されていない組み込み機器などの環境でも、クロスコンパイルにより利用することが出来る。また、C言語の高速性も受け継いでいる。 Armed Bear Common Lisp (ABCL) Java仮想マシン上で動作する実装である。同マシンのJavaバイトコードへのコンパイラを備えており、Common Lisp プログラムから Java のライブラリにアクセスする事が可能。この実装系は Armed Bear J Editor のコンポーネントであるが、単独で利用する事もできる。近年もアクティブに開発されている。 CMU Common Lisp (CMUCL) カーネギーメロン大学 で開発された実装を起源とする。現在はボランティアグループによりメンテナンスされる。Pythonと呼ばれる(プログラミング言語の Python とは関連なし)高速なネイティブコードコンパイラの起源となった実装である。Intel x86 上の Linux や BSD、Alpha 上の Linux、Solaris、IRIX、HP-UX、PowerPCを含むMac OS Xなどで動作する。 CLISP バイトコードコンパイラを備えた実装である。移植性に富み、多くの UNIX や、Mac OS X などの UNIXに類似したシステム、および Microsoft Windows、その他のオペレーティングシステムで動作する。 GNU Common Lisp (GCL) Kyoto Common Lisp から発展したGNUプロジェクトの製品である。完全な ANSI 準拠ではないが、数学ツールの Maxima や AXIOM、ACL2 などを含むいくつかの大規模なプロジェクトで採用されている。この処理系は 11 の異なるアーキテクチャ上の Linux で動作し、Windows や Solaris、FreeBSD でも動作する。 Macintosh Common Lisp (MCL) デジタルツール社製の実装系である。MCL 5.2 からオープンソース化された。PowerPC 上の Mac OS X で動作する。 Movitz x86 アーキテクチャ用の実装系であり、オペレーティングシステムに依存しない。 Poplog Common Lisp を備えたバージョンが存在する。POP-11 は Common Lisp と Prolog、Standard ML を備えており、複数の言語を混在させたプログラミングが可能である。また、全ての言語が逐次的にコンパイルされる。コンパイラと通信する Emacs に類似のエディタが統合されている。 Jatha Common Lisp の大半をサブセットとして実装した Java のライブラリである。 Corman Lisp Windows用の統合開発環境。コーマン・テクノロジーズによる商用実装系だったが、2015年にオープンソース化
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